e日米の共同対処が重要
- 2015.08.05
- 政治/国会
公明新聞:2015年8月5日(水)付
参院平和安全特委で矢倉氏
北朝鮮の脅威に対応
4日の参院平和安全法制特別委員会で公明党の矢倉克夫氏は、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威から国民を守るための日米共同対処の必要性について質問した。
冒頭、矢倉氏は、「平和安全法制は国民の平和的生存権、幸福追求権という憲法の価値を実現するためのもの」と強調。その上で東アジア地域の安全保障環境の変化に言及しながら、具体的な脅威である北朝鮮の弾道ミサイルについて現状を確認した。
中谷元防衛相は北朝鮮の弾道ミサイルは、長射程で確実に狙いを定められる点で能力の向上が著しいと報告。また、多数の弾道ミサイルを発射台付き車両を使って任意の地点、タイミングで発射することができるなど、運用能力も高まっていると述べたほか、核実験を3回実施しており、核弾頭を積んだ弾道ミサイルの開発も現実味を帯びつつあると語った。
これに対して矢倉氏は、弾道ミサイルに対する日本と米国による共同対処の必要性について政府の見解をただした。
中谷防衛相は「日米のミサイル防衛システムは切っても切れない関係にある」と言明。
安倍晋三首相は「今回の平和安全法制が実現すれば、日米同盟の抑止力、対処力は一層強化され、完全に機能する」と答えた。
一方、矢倉氏は、公海上で日本防衛のために弾道ミサイルの警戒監視をしている米艦船に武力攻撃があった際に、自衛隊が個別的自衛権として米艦への攻撃を排除した場合の国際法上の問題点を聞いた。安倍首相は、「本来、集団的自衛権で対処すべき事例について個別的自衛権を、わが国の考えで拡張して説明することは国際法に違反する恐れがある」との認識を示した。
最後に矢倉氏は、政府の憲法解釈について首相の認識をただした。安倍首相は「(今回認められた武力行使は)自衛の措置に限られ、他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権を認めたものではない」と明言。「今回の解釈を超えて自衛権を広げることは困難であり、その場合は憲法改正が必要」との見解を示した。
さらに安倍首相は、「平和安全法制は戦争をするためのものではなく、あくまでも戦争を未然に防ぐためのもの。今後とも自衛隊が戦争をする国になるための能力や装備を持つことは一切ない」と断言した。