eコラム「北斗七星」

  • 2015.08.14
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月14日(金)付



不登校の小中学生は2014年で計12万2902人。01年以降減っていたが2年連続の増。小学生で0.39%。中学生では2.76%、おおむねクラスに1人となっている。このニュースを聞いて、近所の娘さんを思い出した◆彼女は中学1年の秋から登校できなくなった。原因は同級生からの仲間はずれ。3年生の春から学習を支援してくれるフリースクールに通い始め、1年遅れで高校に入学。大学では海外に留学もし、今は会社勤め。会えば明るくあいさつを交わす◆フリースクールに行こうとしたきっかけを聞いた。中学2年の修了式も近いある日、意を決してクラスのドアを開ける。話し声が止む。視線が痛かった。でも、ある幼なじみが「よく来た」と拍手してくれた。何よりの励ましだった。そして「私の居場所はきっとある」と思えた◆文科省が初めて全国のフリースクール474施設を調査した。回答した319施設に通う小中学生は4196人。うち約56%は、在籍する学校長の判断によって出席扱いに。不登校増加は、無理に学校に行かせる親が減ったとも考えられる。文科省は教育制度上の位置づけや経済的支援の在り方について検討を始めた◆不登校で最も苦しんでいるのは子どもたちだ。その居場所を用意するのは、大人たちの責任ではないだろうか。(繁)

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