eコラム「北斗七星」

  • 2015.08.20
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月20日(木)付



戦後日本の安全保障論争は、左翼陣営による錯誤の歴史であった。特に、この20年余、彼らは、国連平和維持活動(PKO)協力法、新ガイドライン関連法、テロ対策特措法などを、「戦争法」「憲法違反」などと決めつけ、多くのマスコミも同調した◆左翼政党が牛歩戦術や衆院議長に議員辞職願まで提出(当時の社会党、社民連)して阻止しようとしたPKOだが、今やわが国の国際貢献の重要な柱となっている。本質を見誤った主張は、自衛隊を憲法違反と決めつけ、日米安保条約の廃棄などをめざすことに起因する◆こうした政党は国会質問を通して、自衛隊や日米安保体制への不信感を広げようとする。自衛隊を地域の施設に例えるなら、これを時代や環境の変化に合わせて改善しようという自治体の方針に、「違法建築だ。解体せよ!」と攻め立てるようなものである◆PKO国会で丁寧な答弁を続けていた宮沢喜一首相は、採決に先立つ衆院本会議で、共産党議員に対し「私どもは、自衛隊は違憲であると思っていない。もし自衛隊が違憲であるとおっしゃるのなら、初めからこの法律は成り立たない」と痛烈に反論した◆「賢者は歴史に学ぶ」という。失敗の歴史に学び、自衛隊や日米安保に対する認識を改めないかぎり、誤った主張は今後も続くだろう。(山)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ