e9条は自衛の措置認める

  • 2015.08.24
  • 政治/国会
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公明新聞:2015年8月22日(土)付



自国防衛でない武力行使するには
「憲法改正が必要」
首相が明言
「戦争には巻き込まれず」と答弁も
参院特委で佐々木さん



参院平和安全法制特別委員会は21日、安倍晋三首相らが出席して集中審議を行い、公明党から佐々木さやかさんが質問に立った。


佐々木さんは冒頭、「女性は自分の子ども、家族のことを思うと、戦争は絶対に嫌だという気持ちが強いが、今回の(平和安全法制関連)法案は国民の平和と安全を守るためのものだ」として、「他国の戦争に巻き込まれるものではないことを説明してほしい」と求めた。


安倍首相は、同法制の整備は日米同盟を完全に機能させて戦争を未然に防ぐためのものであり、「他国の起こした戦争に日本がずるずると巻き込まれることは決してない」と答えた。


また佐々木さんは、平和安全法制について、もっぱら他国防衛のための集団的自衛権の行使を禁じたこれまでの政府の憲法解釈と論理的整合性が維持され、法的安定性が保たれることの重要性を訴えた。


その上で、自衛の措置として自衛隊に認められる武力行使は「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態に対処する場合」に限られるという昭和47年(1972年)見解の根幹部分を取り上げ、「この基本的な論理は、憲法9条の下では今後とも維持されなければならない」と主張。


安倍首相は、「今回の憲法解釈を超えて集団的自衛権の行使一般を認める場合には憲法改正が必要となる。憲法解釈が広がっていくことはあり得ない」と強調、昨年7月1日の閣議決定は憲法9条が許容する自衛の措置の限界を示したものであると、あらためて明言した。


国際協力で女性の活躍支援を


一方、佐々木さんは「自衛隊の国連平和維持活動(PKO)への貢献は世界から高く評価されており、女性自衛官の活躍も注目される」とし、海外に派遣された女性自衛官の活躍状況について確認。「国際協力分野での女性の活躍をさらに支援すべき」と力説した。


石川博崇防衛大臣政務官(公明党)は、これまで約520人の女性自衛官が海外に派遣され、このうちPKOへの派遣は約130人になると報告。医療、広報、国連との調整などの分野で女性自衛官としての視点を生かして活躍をしていると述べ、「これまでの派遣で得た教訓や経験も踏まえつつ、今後、女性自衛官のさらなる活躍を進める中で国際協力分野での取り組みも充実させたい」と語った。


安倍首相も「国際協力分野における女性の活躍が不可欠」とし、人材育成に取り組む考えを示した。


このほか、佐々木さんは、時の総理や政府の恣意的な判断で自衛隊が海外に派遣されるのではとの懸念に対して見解をただし、安倍首相は、公明党の強い主張で国際平和支援法は国会の例外なき事前承認が必要になったと説明。その他の自衛隊の活動についても、政府として可能な限り国会の事前承認を追究していくと答えた。

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