e需要高まる日本の水産物

  • 2015.08.28
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年8月28日(金)付



輸出額、過去最高も視野

今年上半期 ホタテ貝、サバが6割増



海外での和食ブームなどを背景に、農林水産物・食品の輸出が好調だ。今年上半期(1~6月)の輸出額は、前年同期比の25%増となる3547億円。このうち水産物が同29%増の1397億円と輸出増のけん引役となり、輸出額全体の4割近くを占めている。


水産物の年間輸出額は、2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を機に2年連続で落ち込んだものの、13年からは増加に転じ、震災前の水準を回復。今年は、過去最高の1984年(3033億円)にも迫る勢いだ。輸出先は、香港、中国、米国の順に高く、アジアや欧州各国にも広がっている。


輸出品目も多彩だ。中でも品目別の輸出額で最も高いホタテ貝は、前年同期比60%増の303億円と依然として好調。中華料理やフランス料理などの食材に使われ、世界各国から需要がある。


また、サバも同61%増の110億円で、庶民の食材として親しまれるタイやエジプトなどで拡大。照り焼きや刺身として人気があるブリも、同73%増の88億円だった。


水産物の輸出が伸びている要因について、水産庁漁政部加工流通課は「味や品質の高さに対する世界の需要が高まっているのに加え、円安を追い風に、生産量のうち輸出に回す割合を引き上げた業者が相次いでいる」と分析。さらに、訪日外国人の増加を背景に「外国人が帰国後に日本産を買う動きが活発になったことも後押ししている」と述べている。


水産物以外でも今年上半期の輸出額は伸びており、農産物は前年同期比22%増の2025億円、林産物は同29%増の126億円。このペースで推移すれば、農林水産物の輸出総額で2013年(5505億円)、14年(6117億円)に続き、3年連続の過去最高も視野に入る。



公明、政府への提言で後押し



政府は、"攻めの農林水産業"の柱の一つとして輸出拡大を掲げ、年間の輸出額を20年に1兆円(うち水産物は3500億円)に拡大する目標に向け、官民一体の取り組みを進めている。今年6月に改訂した成長戦略では、好調を維持する現状を踏まえ、「20年に1兆円という輸出目標の前倒し達成をめざす」と記した。


公明党は、2月の衆院代表質問で井上義久幹事長が水産物の輸出促進に向けた一層の取り組みを要請。6月に政府に提言した成長戦略の中で、今後、食市場の拡大が見込まれる国・地域への日本産農水産物の輸出拡大をさらに推進することを求めている。

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