e米艦防護は自国防衛のため
- 2015.09.03
- 政治/国会
公明新聞:2015年9月3日(木)付
参院特委で荒木氏
対案提出の維新 「安保法制の整備必要」
2日の参院平和安全法制特別委員会で公明党の荒木清寛氏は、政府案に関し、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した際、自衛の措置の新3要件に基づき自衛隊に武力行使が認められる「存立危機事態」の具体的なケースについて確認した。
中谷元防衛相は、日本近隣の公海上で弾道ミサイルの警戒に当たっている米国艦船への攻撃発生を例示。その時に、日本への武力攻撃を待って対処していては取り返しのつかない甚大な被害を受ける危険があるため、「わが国を防衛するための自衛の措置として、限定的な集団的自衛権を行使する必要がある」と答弁した。
さらに荒木氏は、「米艦は隊列を組んで行動して自前で防衛できるため、自衛隊による防護の必要はない」との指摘があると紹介し、政府に説明を求めた。
中谷防衛相は、日米が従来から「弾道ミサイル対処等に際し、海上作戦を共同で行うことを想定している」と指摘。法整備により可能となる米艦防護を想定した訓練や運用上の協力を通じて「日米の共同対処能力も一層向上する」と強調した。
一方で荒木氏は、平和安全法制関連法案の対案を提出した維新の党に、冷戦後の安全保障環境に対する認識を質問。同党の小野次郎氏は、「日本を取り巻く安全保障環境が大きく変化し、厳しさを増している」と述べ、「日米同盟を基盤としつつ、自国防衛を万全にするために新たな安全保障法制の整備が必要」と語った。