e多様な学びの場を提供
- 2015.09.08
- 情勢/社会
公明新聞:2015年9月8日(火)付
公的支援が大きく前進
フリースクール
文部科学省が先月、初めて発表したフリースクールの実態調査結果。それによるとフリースクールは全国に少なくとも474施設あり、4196人の児童・生徒が在籍し、苦しい施設運営の実態も明らかになった。
調査によると運営は、NPOや法人格のない任意団体、個人が8割近くを占め、児童・生徒の保護者が支払う授業料(会費)や寄付金で運営しているケースが多い。公的な支援がないため、スタッフの人件費を十分に確保できず、薄給でやりくりしたり、ボランティアに頼る施設もある。
不登校の小・中学生は昨年度、2年連続で増加して12万2902人。小学生では全児童に占める割合が過去最悪になった。フリースクールは、いじめや人間関係をめぐる悩み、勉強のつまずきなどで学校に通えずに苦しむ子どもの受け皿の役割を果たしている。
公明の一貫した主張が国を動かす
これまで国は、不登校やひきこもり支援に関して学校への復帰を前提とした政策を進め、フリースクールへの支援を行ってこなかった。多様な学び方を提供する必要性を主張してきた公明党は、学校制度を補完するフリースクールを公的に位置付け、支援する必要性を国会質問や要望を通じて一貫して訴えてきた。
その結果、国は今年度予算で初めて、フリースクールの調査研究費や検討会を設置する予算を計上。さらに来年度予算概算要求には、実証研究や経済的支援に関する調査研究などとして5億円を新たに盛り込み、フリースクールへの公的支援の取り組みの加速化を進めている。
また、党文科部会の浮島智子部会長(衆院議員)らが参加している超党派議員連盟では、フリースクールなどを支援する法案について議論を進めている。