e反対論は「机上の空論」
- 2015.09.09
- 政治/国会
公明新聞:2015年9月9日(水)付
平和安全法制 新たな危機に不可欠
日本の軍国主義化あり得ず
矢倉氏の質問に参考人
参院平和安全法制特別委員会は8日、「平和安全法制」の関連法案に関する参考人質疑を行い、公明党の矢倉克夫氏が法整備の必要性に関して見解を聞いた。
慶応義塾大学の神保謙准教授(公明党推薦)は意見陳述の中で、これまでの日本の安全保障政策を評価しつつ、現在の安保法制の現実とのミスマッチや、安保環境の変化という「二つの新しい深刻な問題が発生している」と指摘。法案が、(1)グレーゾーン事態への対応(2)重要影響事態と集団的自衛権の限定行使(3)国際平和協力―の三つの領域への対応が「明確に意識されている」とし、切れ目のない対応をめざすものであると訴えた。
一方、立命館大学の宮家邦彦客員教授(自民党推薦)は、今回の法案に「戦争法案」や「軍国主義への道」との反対意見があることに対し、「安全保障の本質を理解せず、冷戦後の世界の大きな変化を考慮しない、観念論と机上の空論だ」と反論。「NATO(北大西洋条約機構)加盟国と比べて、はるかに限定的な集団的自衛権しか行使できない。これでどう日本を軍国主義化するのか」と主張した。
さらに、「現行法では対応できない種類の危機が生まれつつある」として、「(反対する野党でも)責任ある立場の人ほど、法案が必要だと内々理解しているのではないか」と述べた。
質疑では矢倉氏が、米国と中国の力関係が変化する中で、共栄の道を探るために「日本がどのような戦略を描くべきか」と質問。神保氏は経済的な相互依存と国際社会のルールの中で、「中国が建設的なアクター(主体)になるよう導くことが重要」と語った。
その上で矢倉氏は、平和安全法制が抑止力に基づく日本の防衛と、国際社会の安定という両輪からなる点を指摘し、参考人の見解を確認。神保氏は法案が、武力攻撃に至らなないグレーゾーン事態に警察権と自衛権の隙間を埋め、米中の力関係の変化などに対応するシームレス(切れ目のない)な体制をつくるものであるとし、必要性について「十分な根拠がある」と主張した。