e農業改革の推進

  • 2015.09.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月18日(金)付



地域農協の主体性促す

6次産業化や輸出も活発に
石田祝稔・党農水部会長に聞く



農業の成長産業化や農家の所得向上をめざして、農業協同組合(農協)などの組織を改革する農業改革関連法が先月28日の参院本会議で成立した。同法の成立を受けて、今後、農業改革をどのように進めていくのか、公明党の石田祝稔農林水産部会長(衆院議員)に聞いた。



法改正受け、党部会が提言 「政省令は現場本位で」



―農業改革関連法の目的は。


石田祝稔・党農水部会長 農家の高齢化や耕作放棄地の増加など農業を取り巻く環境が厳しいことを踏まえ、農業協同組合(農協)と農業委員会、農地を所有できる法人の一体的な改革を行い、各組織が自由な経営を展開して農業の成長産業化や農家の所得向上に取り組める体制をつくることです。


―農協法改正は約60年ぶりの抜本改革となりました。


石田 その柱の一つは、全国に約700ある地域農協を束ねる全国農業協同組合中央会(JA全中)を2019年9月末までに一般社団法人にすることです。


公明党は、農協が農村地域の活性化や農家の所得向上に果たしてきた役割を高く評価しています。JA全中の一般社団法人化に際しては、現場の実態を重視し、十分な移行期間を確保するよう強く訴え、関連法に反映させました。


―なぜ農協改革が必要なのですか。


石田 地域農協は、JA全中が発足した1954年当時で1万を超える数でしたが、合併が進み、現在は700程度に減少しています。農協が自己改革を基本に、時代の変化とそれぞれの地域性に応じて自由に経営展開できるようにする必要があります。JA全中が社団法人になった場合、それぞれの地域農協はJA全中からの共通の指導や、事業範囲の制限などを受けずに主体性が発揮されると期待されています。


―今回の改革が農業の成長産業化や農家の所得向上にどうつながりますか。


石田 所得向上は、農家が経営の効率化による生産コストを削減しつつ、6次産業化や輸出促進を強化し、農産物の需要を拡大していくべきと考えています。その点、今回の改革で地域農協が経営の自由度を高め、意欲ある農家と協力して6次産業化や輸出展開を手掛けるための環境づくりを進めることができます。


―改革関連法で政省令で定める部分もありますが。


石田 政府は、法制度の細部を詰める政省令の検討に着手し、今秋をめどに公布する予定です。これに対し、党農水部会として今月2日、林芳正農水相に農協の自主性を尊重した上で関係者の意向や地域の実態を踏まえた適切な内容とするよう提言しました。組合員(農家)ではない准組合員への事業利用規制のあり方については、地域の重要なインフラを支える農協の役割を十分に踏まえ、結論を出すよう求めました。


―農業改革に向け、今後の決意は。


石田 改革関連法が成立したことで、何よりも農業関係者に喜んでもらえるようにしなければなりません。具体的な改革の推進はこれからが本当のスタートです。日本の農業、国民への食料安定供給を守るとの強い姿勢で、政府と真剣な議論を重ねながら尽力してまいります。

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