e平和安全法制成立へ
- 2015.09.24
- 情勢/社会
公明新聞:2015年9月19日(土)付
国民の生命、暮らし守る
国民を守るための隙間のない安全保障体制を整備するとともに、国際社会の平和と安全へ日本らしい貢献を進める「平和安全法制」の関連法案は19日未明に開かれる参院本会議で、自民、公明の与党両党と日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の野党3党の賛成多数で可決、成立する見通しとなった。17日夕に参院特別委員会で可決した関連法案は、同日夜の参院本会議に緊急上程されたが、民主党が閣僚の問責決議案などを連発したほか、18日午後には民主、維新、共産、生活、社民の5野党が衆院に内閣不信任決議案を提出して採決の引き延ばしを図って抵抗。このため関連法案を採決するための参院本会議の開会が大きくずれ込むこととなった。
安保環境の厳しい変化に対応
成立見通しの法案は、自衛隊法など10本の改正案を束ねた平和安全法制整備法案と、新法の国際平和支援法案の二つ。日本の安全保障環境が大きく変化したことを踏まえ、隙間のない安全保障体制を整備するとともに、憲法9条の下で許容される「自衛の措置」を堅持。さらに、国際社会の平和と安定に一層貢献するため、自衛隊の海外派遣が円滑に行えるようにする。
公明党の山口那津男代表は18日、国会内で開かれた党参院議員総会などで、平和安全法制を整備する意義について「平時から有事まで、切れ目のない法体系を整備することで、国民の生命と平和な暮らしを守ることにある」と強調。
さらに、公明党が与党として法制整備に関わった意義に触れ、「長年、政府が採ってきた憲法解釈の論理の根幹を維持し、その枠内で自衛隊を生かし、適切な歯止めもかけた。公明党が一貫して果たした役割は大きい」と力説した。
一方、同関連法案の参院本会議採決を阻止するため、民主党は17日夜から18日午後にかけ、議院運営委員長解任決議案、防衛相問責決議案、議長不信任決議案、首相問責決議案を相次いで提出。いずれも与党などの反対多数で否決された。
また、野党5党が衆院に共同提出した内閣不信任決議案も、衆院本会議で同日夜に与党などの反対多数で否決された。
反対討論に立った公明党の赤羽一嘉氏は、安倍政権の発足以来、政府・与党が経済再生や社会保障と税の一体改革、東日本大震災の復興加速などに取り組み、着実に前進させてきたと力説。「自公政権が引き続き、国民のために諸課題に立ち向かうことが国益に叶うことだ。不信任には全く値しない」と強調した。
民主党などの一連の抵抗戦術は「法案成立をあらゆる手段で阻止する姿勢をアピールするための政治的パフォーマンス」(18日付「読売」)と断じられたが、最後まで改まることはなかった。
与党は、同法案をめぐり野党が示した対案や修正案の協議に真摯に対応。元気、次世代、改革の野党3党とは、自衛隊派遣の際の国会関与を強める付帯決議と閣議決定を行うことで合意し、参院特別委員会の採決で3党は賛成に回った。「強行採決」との指摘があるが、与党単独採決ではなく、野党の賛成も得て可決し、参院審議は100時間を超えたことから言っても、こうした批判は的外れだ。