eコラム「北斗七星」

  • 2015.09.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月21日(月)付



安全保障法制の国会審議を見ていて、文豪ゲーテの箴言を思い出した。「永久に否定ばかりする。永久に反対の態度をとる、(中略)そういうことをするくらいなら、私はいっそ首をくくって死んでしまったほうがましだ」◆この痛烈な非難は、日本の政治家たちのやり方に対して言われたのではないか、とドイツ文学者の故・手塚富雄氏は指摘した。「まず自分の立場をきめて、その立場だけから相手をやっつけることを考える。支配しているのは、ただ勝敗意識である。自分も育ち、相手も育ち、そして全体がよくなることではない」(「いきいきと生きよ」 講談社現代新書)と手厳しい◆審議の妨害や引き延ばし戦術、ピケなど、民主党など一部野党議員の常軌を逸した行動が、お茶の間に流れた。醜態と表現するしかない。一方、与党は粘り強く各党と協議を重ね、衆院では次世代の党が、参院では元気、次世代、改革の3野党が採決で賛成、与野党の合意が広がった。これこそ、言論の府にふさわしい姿である◆今国会では、選挙権年齢を18歳に引き下げる法律が成立した。若者の政治参加を広げるため、主権者教育が重要になる。しかし、その対象年代である高校生たちが先週のテレビ中継を見ていたら、どう受け止めただろうか◆一部野党の罪は計り知れない。(明)

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