e戦争防ぐ平和安全法制
- 2015.09.24
- 情勢/社会
公明新聞:2015年9月21日(月)付
万が一の時に備え
軽減税率 複数税率で考え方提示へ
NHK番組で石井政調会長
公明党の石井啓一政務調査会長は20日午前、NHK番組「日曜討論」に与野党の代表者と共に出演し、19日の参院本会議で成立した平和安全法制の関連法や、消費税率10%への引き上げと同時導入をめざす軽減税率、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について、大要、次の見解を述べた。
【平和安全法制】
一、衆参合わせて約216時間の審議を行い、(安全保障関連の)法案では過去最長になった。特に参院では集中審議を6回やり、4回の衆院以上となった。中央公聴会、地方公聴会も行った。自民、公明両党は(日本を元気にする会などの)野党3党と(自衛隊を派遣する際の国会関与強化に向けた)政党間合意も交わした。採決の機は熟していた。
一、この法律は国民の命と平和を守るために必要だ。当然、平和外交が大前提だが、万が一に備えて隙間のない安全保障(体制)を構築することは不可欠だ。成立は大きな意義がある。
一、(国民のさらなる理解のために)法律の必要性や憲法に適合していること、『戦争防止法』であることなどを粘り強く説明していきたい。(政府には)政党間合意に基づき、実施体制や運用ルールを作ってもらいたい。
一、(参院特別委員会では)地方公聴会後に締めくくり総括質疑を行う予定だったが、民主党など野党議員が委員会室の前に押し寄せて物理的に総括質疑を妨害し、できなかった。
【軽減税率】
一、(一律で消費税10%を課した上で2%分を還付する財務省試案について)軽減税率の課題をクリアしようと提示された案だが、新たな課題を生じさせている。痛税感の緩和が(与党税制協議会で議論してきた複数税率の)軽減税率と比べて劣っている。事業者負担は少なくなるが消費者には面倒になってしまった。今後実施しようとするマイナンバー(制度の個人番号)カードが前提なので、実現可能かという点もある。
一、与党税制協では両方を議論することになるが、公明党内に財務省試案を評価する声はほとんどない。従来の軽減税率に基づいて、公明党の考え方を与党協議の中で提示していく。税率を10%に引き上げる時に、恒久的な低所得者対策として、確実に軽減税率を導入したい。
一、(低所得者対策は給付措置で対応すべきとの意見に対し)8%に上げた時にも所得の低い方に現金給付を行ったが、実際は所得の低い方ほど消費を手控えている。現金給付では痛税感の緩和につながらない実態がはっきりしている。所得の低い方ほど食費が収入に占める割合が高いので軽減税率を行うことで確実に対策になる。
【普天間基地移設】
一、(普天間基地を)固定化しない手段として、政府・与党は辺野古移設を提案しているが、残念なことに、民主党政権当時の鳩山由紀夫首相の言動によって、沖縄の皆さんは辺野古移設に決定的な不信感を抱いてしまった。政府はそれをどう払拭していくかで苦労している。嘉手納基地以南の米軍施設を返却する計画や普天間基地での訓練移設の動きもあるから、目に見える形で基地負担を軽減し、(辺野古移設に)理解を得ていくことが大事だ。