eコラム「北斗七星」

  • 2015.09.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月23日(水)付



気象庁が初めて「特別警報」を発表したのは2年前の9月。台風18号の上陸に伴うものだった。関東・東北地方を襲った先般の豪雨でも「直ちに命を守る行動を取ってください」とのアナウンスがテレビやラジオで繰り返された◆ただ、特別警報の1時間半ほど前には、茨城県常総市で鬼怒川の水が堤防を越えていた。また、避難の呼び掛けに対して「わが家は大丈夫」と自宅にとどまり、被災したという住民の声も報道された。時として自然災害は、いとも簡単に人間の予想を上回る◆積乱雲が帯状に連なって大雨が続く「線状降水帯」や、川の水があふれて堤防の外側を削り取り決壊を招く「越水破堤」などの用語を、今回初めて知った人も多いのではないか。今後の対策に生かしたい◆常総市では、一部に定員を超えた避難所があったという。洪水や大地震などの場合、地域ごとに割り当てられた避難所に行くことが不可能になり、他の避難所に集中することも考えられる。さまざまなケースを想定したきめ細かい対応が必要だ◆常総市の浸水地域は、洪水ハザードマップとほぼ一致している。こうした行政情報は万一の備えに役立つ。自宅に先日届いた東京都の防災ブック「東京防災」には、次のようなサブタイトルが付いていた。「今やろう。災害から身を守る全てを。」(幸)

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