eNPOと信用保証制度 円滑な融資で事業の後押しを

  • 2015.09.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月23日(水)付



来月からNPO法人(特定非営利活動法人)が信用保証制度を利用できるようになる。信用保証制度は、中小企業などが金融機関から融資を受ける際、保証料を信用保証協会に納めれば、借入金を返済できなくなった場合に協会が代わって支払う仕組み(8割保証)である。


NPO法人が中小企業と同じように信用保証制度を利用できれば、資金を借りやすくなると期待される。この見直しは、今年5月の中小企業信用保険法の改正に基づく措置であり、法改正をリードしてきた公明党としては資金調達の選択肢が広がることを歓迎したい。


NPO法人が新たな事業を展開するために金融機関から融資を受けようとしても、「担保がない」などの理由で断られるケースは珍しくない。NPO法人からは、「NPOが果たす社会的使命や役割をもっと理解してもらえないか」との声がよく聞かれる。


信用保証制度を利用して融資を受けるNPO法人には、適切な会計処理はもちろん、十分に練られた事業計画の策定が求められるが、これらの作業に不慣れな団体は少なくない。ノウハウを習得する機会を設け、学んでもらうことが必要だ。


一方、金融機関はNPOの活動内容への理解を深め、適正に評価する"目利き力"を高めてもらいたい。


ある信用金庫では、地域の課題解決に取り組むNPO法人向けに低金利の融資商品を設け、事業計画の立案を含めた経営支援を実施しており、事業に精通するための職員をNPO法人に出向させる人材交流を行ったこともある。こうした経営支援の取り組みが広がってほしい。金融機関にとっても、新たなビジネスチャンスになるかもしれない。


今やNPO法人の認証数は5万件を超え、社会福祉や環境保護、まちづくり、教育など多彩な分野で活動し、地域に雇用の場も創出している。行政や民間企業でカバーしきれないサービスを補う役割は、ますます高まっている。


資金調達が円滑に進めば、NPO法人も多様なニーズに応えて活動を多角的に進められる。信用保証の利用を機会に金融機関との連携を促し、活躍の場を広げていきたい。

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