e「北」の核問題再燃 6カ国協議の早期再開が重要

  • 2015.09.24
  • 情勢/国際

公明新聞:2015年9月24日(木)付



北朝鮮が再び核とミサイルをちらつかせながら、国際社会を揺さぶり始めている。


北朝鮮は今月、朝鮮労働党創建70年となる10月10日前後に、人工衛星の打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを発射する可能性を示唆。さらに、寧辺にある全ての核施設を再稼働させたことも表明し、4回目の核実験の強行を辞さない構えも見せている。


北朝鮮のこうした挑発行為を断じて許してはならない。日本や米国、韓国など60を超える国は18日、国際原子力機関(IAEA)の総会で、今回の北朝鮮の核開発に向けた動きを非難する決議案を共同で提出。同決議案は165のIAEA全加盟国による全会一致で採択された。


北朝鮮は、この国際社会の総意を重く受け止め、核開発に関わる全ての活動を直ちに停止すべきである。


また、日本政府は、北朝鮮がミサイルを発射した場合、ミサイルが国内に落下するなどの万が一の備えに、万全を期してもらいたい。


地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」の配備や、高性能のレーダーを搭載したイージス艦の展開による迎撃態勢の構築も視野に入れながら、情報収集衛星などを活用した警戒・監視を早急に強めていく必要がある。


日米韓の緊密な連携も欠かせない。29日に日米韓外相会議が開かれ、北朝鮮による挑発行為への対応を協議する。ここで3国間の連携の強化をしっかりと進めてほしい。


憂慮すべきは、北朝鮮が核開発の放棄に合意した2005年の6カ国協議の共同声明が、今回の核施設の再稼働により、完全に破棄されてしまったことである。6カ国協議の再開を早期に実現し、北朝鮮に核開発の放棄を再度求めていくことが重要である。日本は、そのための外交努力を率先して進めていきたい。


北朝鮮は核開発を進めても、国際社会による制裁が強まるだけで、得られるものは何もないことを理解すべきである。一方、同じく核開発が懸念されていたイランは、米国など6カ国との核協議の最終合意で大幅に譲歩し、IAEAの査察を受け入れるなど制裁解除への道筋をつけた。


北朝鮮は、このイランの例を学ぶべきであろう。

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