e災害時にICT生かす

  • 2015.09.30
  • 情勢/テクノロジー

公明新聞:2015年9月30日(水)付



全市議がタブレットで
情報収集、伝達を訓練
栃木・大田原市



今年度から全議員にタブレット端末を配備している栃木県の大田原市議会は先ごろ、台風による被害を想定して、ICT(情報通信技術)による被災情報の収集と伝達の訓練を実施した。公明党の小池利雄、大豆生田春美の両市議が参加した。


午前11時過ぎ、議会事務局から全議員のタブレット端末に安否の確認と議会災害対策本部への参集を求めるメールが配信された。これを受けた議員は端末を操作して自身の安否を報告した後、内蔵カメラで居住地周辺の写真を撮影し、説明文を添えて返信した。


午後1時、対策本部に参集。会場のスクリーンに市内の地図が映し出され、そこに各議員から送信された写真が撮影場所に即して表示された。これには、GPS機能付きのカメラで撮った写真の位置を記録する「グーグルマップ」の画像位置情報取得ツールを使っている。議員らは地図と写真を指し示しながら、河川の水位や避難所に指定された公園の様子、倒れかかった巨木など、各地の状況を確認。また、対策本部と屋外の端末をテレビ電話でつなぐ訓練も行った。


小池市議は「議員からの情報で現地の状況を事前につかめれば、復旧に当たる市の専門職員が必要な人員や資材を判断するのに役立つのではないか」と語っていた。市議会では今後、タブレット機能の研究を進め、災害時の行動マニュアルの検討につなげていく予定。

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