e男性も育休取れる職場に
- 2015.10.05
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2015年10月3日(土)付
公明、法改正などで環境整備
「ゼロ」改善企業に助成金 厚労省が来年度概算要求で
厚生労働省は2016年度予算の概算要求で、男性の育児休業(育休)取得を促進するために、職場環境の整備などに取り組む事業主に対する助成金を新設することを盛り込んだ。必要性は認識されながらも、現実には依然として低い水準にある男性の育休取得アップの呼び水として注目されている。
政府は20年までに、男性の育休取得率を13%に向上させるとの目標を掲げている。育児に積極的な男性を指す「イクメン」が定着し、育休取得を希望する男性も増えている半面、14年度の取得率は女性が86.6%であるのに対し、男性は2.30%と政府目標とは大きな開きがある【グラフ参照】。
民間が行った調査では、男性の育休取得が進まない要因のトップとして、「職場の理解が足りない」が挙げられた。そこで新制度では、会社側の背中を押すために、男性従業員が育休を取得すれば1人目は30万円、2~5人目は15万円の助成金を会社に支払う(ただし6人目以降の助成金はない)。
また、取得者の業務引き継ぎマニュアルの作成など、育休を取りやすくした企業には、別途30万円を支払う制度も創設する【図参照】。
対象となるのは、男性の育休取得者が過去3年間で1人もいない企業。出産から8週間以内に5日以上の育休を取れば、助成金が受け取れる。新制度は大企業も対象で、概算要求には29.2億円を計上、来年4月からの実施をめざしている。
厚労省の担当者は、「企業には育休を取得しやすい社内風土づくりに努力してもらいたい。1人目の取得をきっかけに、2人目以降も続きやすくなれば」と期待を寄せる。
男性の育休取得促進は、女性の活躍推進とともに、少子化対策を進める観点からも重要な一手になる。そこで公明党は、育休取得中の収入減に対する不安を和らげるため、育児休業給付の給付率を、これまでの50%から67%への引き上げを推進。また、両親ともに育休を取る際には、取得可能な期間を1年から1年2カ月に延長する育児・介護休業法の改正をリードしたほか、男性の育休取得を義務付ける「パパ・クオータ制度」の導入も提唱している。