eNPO 融資受けやすく
- 2015.10.05
- 情勢/経済
公明新聞:2015年10月4日(日)付
今月から信用保証制度の対象に
中小企業などの資金繰りを支える信用保証制度の対象に、1日から地域に貢献するNPO法人(特定非営利活動法人)が加わった。公明党の推進で今年5月に成立した改正中小企業信用保険法に基づく措置だ。
信用保証制度は、中小企業などが金融機関から資金を調達する際、各地の信用保証協会が保証人となり、融資を受けやすくする仕組みで、中小企業などが借入金の返済が困難になった場合に協会が支払いを肩代わりする【図参照】。
NPO法人は現在5万を超え、自治体と連携して地域の課題解決に取り組むなど、社会的な役割を担っている法人も多い。具体的には、介護タクシー事業や女性の再就職支援などだ。
これらの事業の継続・拡大には当然、相応の資金が必要だが、内閣府の2013年度NPO法人に関する実態調査では、多くの法人で金融機関からの借り入れが困難な現状が浮き彫りになった。借入金のある法人のうち、「個人」からの借り入れに頼っている法人が74%を占めた。また、担保がないため金融機関に融資を断られたり、融資が受けられる場合でも、法人の代表理事などに個人保証が求められることが少なくない。
信用保証制度が利用できるようになったことで、そうした資金調達の"壁"が取り払われる。関係者からは「信念を持ち、地域や社会の課題を解決するために継続して事業を展開しようとするNPO法人に、『第2ステージ』へと駆け上がる勇気を与える」(公益社団法人日本サードセクター経営者協会の藤岡喜美子執行理事)などと歓迎の声が上がっている。
公明党は信用保証制度の対象にNPO法人を加えることについて、14年5月に政府に申し入れた成長戦略や国会質問などで積極的に提案してきた。