eコラム「北斗七星」
- 2015.10.19
- 情勢/社会
公明新聞:2015年10月17日(土)付
坂本龍馬が「北辰一刀流」の免許皆伝書を取得していたことを示す文書を高知県立坂本龍馬記念館が初めて確認した、と産経新聞で報じていた。同館に寄贈された関連史料から見つかったらしい◆同館はこうした史料を保存・展示できる"博物館"を新設し、明治維新150年記念の2018年にオープンする予定だが、いつからいつまでを明治維新とするかには諸説ある。一般的にはペリー来航から廃藩置県などによる封建諸制度解体までの約20年間を指すようだ◆近代国家への道を歩み始めた日本には憲法も議会もない時代。伊藤博文らが立憲国家の調査でヨーロッパに渡ったのは1882(明治15)年。諸国の政治家や学者の多くは、急進的すぎる日本の改革を懸念して立憲制の採用に否定的だったという◆様々な困難を乗り越えて明治憲法が発布され、帝国議会開設に伴う1890年の第1回総選挙の有権者は全人口の1.1%強、わずか45万人だった。度重なる改正を経て20歳以上の男女全てに選挙権が与えられたのは戦後、1945年である◆来夏の参院選で実施される18歳選挙権は、それ以来70年ぶりの改革。公明党が45年以上前から主張し、各地方議会でも今、主権者教育の重要性などを訴えている。より良き政治に向かう好機と捉え、取り組みを進めたい。(祐)