eコラム「北斗七星」
- 2015.10.26
- 情勢/社会
公明新聞:2015年10月24日(土)付
わが家のパソコンにウィンドウズ10を導入して1カ月が経った。ウィンドウズ10はマイクロソフト社が、不人気だったOS(ウィンドウズ8)を早々に切り上げて導入した新OSだ。OSとは「パソコン全体を管理するソフト」のことで、使い勝手の良し悪しを決める基幹ソフトだ◆同社は今年7月末にウィンドウズ10を一般に公開。ウィンドウズ7、8の利用者には無償で導入できるようにした。公開から3カ月、各種報道でもおおむね好評価が目立つ◆ウィンドウズは世界で15億人が利用しているともいわれる圧倒的なシェアを誇るOSだ。提供しているマイクロソフト社としても、研究・開発を進め自信を持って売り出したOSが不人気というのは、企業プライドを大いに傷つけられる話だが、早期撤回するのに、同社に躊躇はなかったようだ◆"商売の神様"といわれた故・松下幸之助氏は「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る」という言葉を残した。商売は売った後こそが大事ということだ。購入者が製品をどこまで気に入っているか、改良して欲しい点はないかなど、企業が持つべき「目」を教示している◆最近、大手企業の不正が相次いでいる。担当者が云々、という釈明が目立つ。トカゲのしっぽ切りでは再発は防げないと自覚すべきだ。(爽)