e複数税率で「10%」と同時
- 2015.10.28
- 情勢/社会
公明新聞:2015年10月28日(水)付
与党軽減税率委が確認
自民、公明両党は27日、衆院第2議員会館で与党税制協議会の「消費税軽減税率制度検討委員会」(委員長=宮沢洋一自民党税制調査会長)を開き、消費税の軽減税率について、2017年4月からの消費税率10%への引き上げと同時に、税率を低く抑える品目を設ける複数税率の形で導入する方針を確認した。公明党から、北側一雄副代表、斉藤鉄夫税制調査会長、西田実仁同事務局長が出席した。
当面は「簡素な経理方式」で
席上、自民、公明両党は、(1)17年4月から軽減税率を導入する。その制度は混乱なく確実に実施できる制度にする(2)益税批判を招かないよう、複数税率を導入する以上は欧州型インボイス(消費税額などが示された納品書)制度を導入するが、17年4月からの導入は不可能であり、当面は事業者の負担が軽い簡素な経理方式を採る―との認識で一致。11月中旬には制度設計の大筋合意に至るよう検討を進めるとした。
また、対象品目について、公明党は「(国民の)痛税感を解消する意味で幅広い品目を対象とすべき」と主張。自民党は「(対象が)極めて限定的な制度でなければ混乱を引き起こす」との考えを示した。財源では、公明党が「税制全体で考えるべき」と訴え、自民党は「社会保障と税の一体改革のフレームの範囲内」で確保すべきとした。
会合では、財務省が8パターンの対象品目を想定した「軽減税率による減収額の試算」を提示。このうち「酒類を除く飲食料品」が対象の場合、軽減幅1%当たりの減収額が6600億円になるとした。これに対し公明党は、試算の方法などを精査する必要性を指摘した。
会合後の記者会見で公明党の斉藤税調会長は、自公両党が17年4月の税率10%への引き上げと同時に軽減税率を導入するという共通認識の下で検討を進める方針を確認したことについて、「非常に大きな前進だ。今後しっかり議論し、しかるべき時には結論を出していきたい」と強調。軽減税率による減収に関しては、社会保障と税の一体改革による社会保障の充実に影響しないよう、財源確保を図る考えを表明した。