e空き家対策 特措法で初の取り壊し
- 2015.11.04
- 情勢/社会
公明新聞:2015年11月4日(水)付
倒壊の恐れ、納税情報を活用
神奈川・横須賀市
公明党が制定をリードし、今年5月に全面施行された「空き家対策特別措置法」(議員立法)に基づき、神奈川県横須賀市は10月26日から、老朽化により倒壊の恐れがある所有者不明の空き家の取り壊し作業を開始しました。同市によると、「特措法に基づく取り壊しは全国初」です。
特措法により市区町村は、空き家の所有者特定へ固定資産税の納税情報の活用が可能になりました。さらに、倒壊などの恐れがある空き家を「特定空き家」と認定し、立ち入り調査や所有者への撤去命令、命令に従わない場合は強制的に解体することも認められました。
横須賀市内の空き家をめぐっては2012年10月以降、周辺住民から同市に「屋根が落ちそうで危険」などの相談が相次いで寄せられ、市は建築基準法による行政代執行を検討しましたが、所有者を特定できずに断念していました。
特措法の施行で固定資産税の納税情報が利用可能になった結果、空き家は誰も税を払っておらず「所有者不明」であることが確定。市は特措法に基づき、空き家の取り壊しに踏み切りました。
総務省の統計によると、全国の空き家は約820万戸(13年時点)に上ります。総住宅数に占める割合は13.5%と過去最高を更新しており、高齢化や人口減少を背景にさらなる増加が見込まれます。今後も公明党は、各地の実情に即した空き家問題の解消や有効活用に全力で取り組みます。