e障がい者が地域の担い手に

  • 2015.11.04
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年11月4日(水)付



農福連携、雇用を拡大



障がい者らが農作業の担い手となる「農福連携」が広がりを見せている。障がい者や高齢者の就労拡大と賃金アップ、健康増進をめざす福祉分野と、高齢化による労働力不足や耕作放棄地の増加が深刻な農業分野が手を携え、互いの課題を解決しようという取り組みだ。2014年度にハローワークを通じて農林漁業に障がい者が就職した件数は、09年度の2.6倍超の2870人に上った。


愛媛県の障がい福祉サービス事業所では、耕作放棄地を借りて自然農法でコメや野菜などを栽培。作業に当たる障がい者の工賃は同様の作業所の4倍を超える。農産物の生産、加工、流通を一体的に手掛ける「6次産業化」の分野でも、障がい者を積極雇用する動きが各地で始まっている。


国や地方自治体も支援に乗り出し、農林水産、厚生労働両省は、障がい者などを対象とした福祉農園の整備などを進める「『農』と福祉の連携プロジェクト」を展開。香川県や鳥取県は、農業者と福祉作業所などを橋渡しするマッチング支援を行う。公明党は、今年3月の参院予算委員会で山本博司氏が農福連携の推進を訴えるなど積極的に後押ししている。


京都で「マルシェ」(販売会)開催


新鮮な農産物ずらり
竹内副大臣、佐藤政務官が参加


「いらっしゃいませ!」「取れたての新鮮な野菜はいかがですか」―。京都府庁(京都市上京区)で3日、府内の障がい者就労支援事業所などによる農産物や加工品の販売会「農福連携マルシェin京都」(主催=農林水産、厚生労働両省、共催=京都府)が開催され、多くの来場者でにぎわいを見せた。これには竹内譲厚労副大臣、佐藤英道農水大臣政務官(ともに公明党)がそろって参加した。


イベントは、国が進める「農福連携」の取り組みの一環として実施。会場内には、丹波の黒豆や田辺ナス、特A米の丹後のコシヒカリなど地元産の新鮮な農産物のほか、宇治抹茶を使った大福や規格外の果物を使ったジャムなどの加工品がずらりと並んだ。


オープニングセレモニーであいさつに立った竹内氏は、農福連携の意義について「障がい者の方が地域を支える担い手となり、地方創生にもつながる」と強調。また佐藤氏は「今後も農業と福祉の連携に取り組む人たちを支援し、全国に広げていきたい」と述べた。


その後、竹内、佐藤の両氏は、会場内の販売ブースを見て回り、出店者らと交流。社会福祉法人「よさのうみ福祉会」の藤原さゆりさんは、「過疎化や高齢化が進む中で、少しでも地域の活性化につなげたい」と意気込みを語っていた。

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