eコラム「北斗七星」
- 2015.11.11
- 情勢/社会
公明新聞:2015年11月11日(水)付
テレビドラマ「下町ロケット」(TBS系)が高視聴率を維持している。物語は下町の中小企業の奮戦記。大企業を相手に技術で勝負を挑む青年社長の、爽やかな振る舞いがお茶の間に好感されている◆ここ数年のヒットドラマを振り返ると驚異の視聴率40%越えの「半沢直樹」、続編も好評だった「花咲舞が黙ってない」と、権力に立ち向かう主人公を描いた作品が目立つ◆今回の「下町ロケット」も、いつか自分たちの力で大空にロケットを打ち上げたいと夢見る社長が、主要取引先からの突然の取引解消宣告、ライバル企業との特許権を巡る攻防、大企業の思惑など、次々と押し寄せる苦難を社員とともに乗り越えていく◆「水戸黄門」「大岡越前」しかり。いつの時代も権力を笠に着る人間を懲らしめるドラマは「スカッとする」と人気を博してきた。裏返してみれば「権力の悪用は絶対に許さない」という国民の思いの表れともいえよう◆「人に命令するものは、まず服従することを学ばなければならない」(ドイツのことわざ)。命令される側に立って物事を考えられない者には、従わせる資格はないという意味だ。「下町ロケット」でも大企業の社員が、"誇りある仕事"とは何かを、青年社長たちに教えられるシーンが、随所で描かれる。多くを学べるドラマだ。(爽)