e全国県代表協議会 山口代表あいさつ(全文)
- 2015.11.17
- 情勢/社会
公明新聞:2015年11月17日(火)付
16日に東京・公明会館で開催された、「全国県代表協議会」での山口那津男代表のあいさつ(全文)を紹介します。
はじめに
テロの再発防止へ連携強化を
全国の都道府県本部の代表、幹事長の皆さん、党勢拡大に向けた連日の闘い、大変にありがとうございます。
13日にフランス・パリで一般市民を無差別に襲った残虐な同時多発テロが発生しました。このような卑劣なテロ行為は断じて許されるものではありません。まず冒頭、犠牲となられた方々に対し、心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方や、ご家族に心からお見舞いを申し上げます。
こうした非道なテロの再発防止に向けては、国際社会が緊密に連携し、重層的な対策を進めなければなりません。政府に対しては、フランスをはじめ国際社会との連携の強化とともに、わが国の安全対策にも万全を期すように強く求めたいと思います。
さて、本日の県代表協議会は、あす17日の51回目の結党記念日を前に、来年夏の参院選大勝利をめざし出陣する会合です。
参院選に向け公明党は今月5日、第3次公認を発表し、これまでに埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の7選挙区で7人、比例区で6人の擁立を決めました。このうち愛知では9年ぶり、兵庫、福岡では24年ぶりの戦いです。7選挙区への挑戦は過去最多であり、かつてない攻めの選挙戦となります。全議員が総立ちとなって、7選挙区完勝、比例区を含め過去最高の歴史的な大勝利を成し遂げようではありませんか!
また、公明党が統一地方選挙の一環と位置付け、東日本大震災の被災3県で行われてきた「東北復興選挙」も、昨日の福島県議選、同県の相馬市、大熊町、川俣町の各議会選挙の大勝利をもって、全員当選で締めくくることができました。全国の党員、支持者の皆さまのご支援に、あらためて感謝と御礼を申し上げます。さらに、今後行われる全ての統一外地方選挙も全員当選を勝ち取り、連続勝利の勢いの中で参院選を迎えようではありませんか!
併せて、被災地では来年4月に「集中復興期間」の5年が終わり、次の「復興・創生期間」の5年に移ります。公明党はどこまでも被災者に寄り添いながら復興の先頭に立つことをともどもに確認したいと思います。
当面の政治課題
日中韓の対話外交さらに促進
軽減税率の導入、幅広い品目で
ここで、当面する政治課題について申し上げます。
【中韓との関係改善】
今月初め、ソウルで日中韓3カ国の首脳会談「日中韓サミット」が3年半ぶりに開かれ、日中、日韓の2国間の首脳会談も行われました。日中韓サミットは今後の定例化が確認され、来年は日本で開催されます。経済や防災、環境、青少年交流など幅広い分野で協力を進めていくプロセスが回復したことは、大きな意義があります。
東アジアの平和と安定のため、3カ国の首脳が対話を重ね、友好・信頼を深めていくことは不可欠であり、今後も国際会議の場などを生かしながら、首脳間の対話が継続されることを期待します。
私は先月、党代表団を率いて韓国、中国を訪問。韓国の朴槿恵大統領、中国の習近平国家主席と会談し、安倍晋三首相の親書を直接手渡すなど、与党として首脳会談の環境を整える役割を果たしてまいりました。また、中国との政党間交流も再開されることとなり、12月上旬に自公の幹事長が訪中します。今、このように中韓両国との関係改善の流れがより確かなものとなったことを歓迎するとともに、公明党として引き続き「対話外交」に努力してまいりたいと思います。
来年は、日中韓サミットをはじめ、G7(主要7カ国)「伊勢志摩サミット」が日本で開かれます。国際社会の外交舞台の中心として、わが国が注目を集めることは間違いありません。その意味で現在開催中のG20(主要20カ国・地域)を皮切りに、年内開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、ASEAN(東南アジア諸国連合)関連の首脳会議、さらにはCOP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)と続く国際会議は、来年の日本外交の成否に関わる重要な会合と言っても過言ではありません。政府には万全の準備で取り組むよう求めてまいりたいと思います。
【消費税の軽減税率】
消費税の軽減税率については、2017年4月の税率10%への引き上げとの同時導入へ、現在、与党税制協議会で制度設計に向けた詰めの協議が行われています。
ここでは、昨年4月からの8%への引き上げで得られた教訓を確認しておきたいと思います。8%への引き上げに際し、低所得者対策として、簡素な給付措置で対応しました。しかし、給付を受けるための申請率は低い水準にとどまり、十分な効果を得ることができず、引き上げによる消費経済の落ち込みからの回復は遅れました。この点から見ても、買い物時に誰に対しても確実に軽減できる軽減税率は優れており効果的であることは明らかです。
消費税率10%への引き上げに当たっては、軽減税率による痛税感や消費税の逆進性の緩和が重要です。また、消費を冷やさず、経済の失速を防ぐ視点も大切です。このため、公明党としては、できるだけ幅広い品目を対象とし、国民の理解が得られる制度が実現できるよう全力で取り組んでまいります。
1億総活躍社会へ具体策提言
TPP対策に現場の声を反映
【1億総活躍社会】
政府が掲げる「1億総活躍社会」とは、言い換えれば「一人ひとりが輝き活躍できる社会」「すべての人が自己実現できる社会」をめざすことであります。政府は「新3本の矢」で、「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」と子育て支援や介護の目標を掲げましたが、これは公明党が長年取り組んできた課題であり、今回、政府と問題意識が共有でき、その政策実現に向けて大きなチャンスが訪れたと考えます。
党内に推進本部を設置し、子育てや介護の支援を拡充する具体策について精力的に中身を詰めています。
まずは、政府が今月中にまとめる緊急対策に向け、ひとり親家庭に支給される児童扶養手当の増額など、社会的に弱い立場にある人に手を差し伸べる観点で、早急に党の提言をまとめてまいります。
【TPPの国内対策】
日米など12カ国が大筋合意したTPP(環太平洋連携協定)をめぐっては、世界最大の自由貿易圏が形成されることで、わが国の産業にとって活躍の場が拡大し、消費者にとっても輸入品の価格が下がるなどメリットが大きい一方、農林漁業者にとっては、外国産品との厳しい競争にさらされることなどへの不安があることも事実です。
そこで公明党は、具体的にどのような課題や問題点があるのか、国会議員と地方議員が生産者などを訪ねるなど"生の声"を積極的に聞いています。それらを基に、現場のニーズに合った効果の高い再生産可能な国内対策を実現するため、近く党としての提言を政府に申し入れます。
農林水産業は、食料自給や国土保全など重要な機能を果たしています。政府に対し、TPPの影響緩和はもちろんのこと、高齢化など構造的な課題を抱える農林水産業の体質強化へ、万全の対策を実施するよう強く求めてまいります。
日本経済はデフレ脱却に向け着実に進んでいますが、きょう発表された、7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は前期に続いてマイナス成長となりました。景気の失速を防ぎ、経済再生の軌道を確かなものとするためにも、経済対策を取りまとめ、今年度補正予算や来年度予算に反映できるよう強く求めてまいりたい。
参院選の勝利へ
公明党こそ真の「若者の味方」
公明党が結党以来、「生活者目線の政治」を進め、議員と党員、支持者の強固なネットワークを築くことができたのは、「大衆とともに」との立党精神が党の根幹に脈打っているからであります。結党記念日を迎え、公明議員一人一人が、再びこの立党精神を体現し、国民のために結束して闘うとの誓いを新たにしようではありませんか!
来夏の参院選からは、公明党が実現を強く後押ししてきた「18歳選挙権」が実施される見込みです。新たに約240万人の有権者が誕生し、未来を担う若者の政治参加が広がる意義は極めて大きいといえます。若者が政治を身近に感じ、関心を持つことができるよう主権者教育などに力を注がなくてはなりません。また、党青年委員会が各地で膝詰めの「若者政策懇談会」を精力的に開くなど、青年に光を当てた政策実現に取り組む公明党こそ、真の「若者の味方」であることを広く訴えてまいりたいと思います。
昨年の「結党50年」から「次の50年」へ、緒戦の衆院選、統一地方選を連続勝利で飾ったとはいえ、来夏の参院選の勝利なくして、党の揺るぎない基盤の確立はありません。日本の政治を安定させ、政治課題を解決に導くためにも、公明党は断じて勝たなければなりません。さあ、皆さん、圧倒的な党勢拡大の大波を起こしてまいりましょう! 戦いましょう! 断じて勝ちましょう!