eコラム「北斗七星」
- 2015.11.24
- 情勢/社会
公明新聞:2015年11月21日(土)付
「男女平等ランキングがちょっと上がった」「何位に?」「104位から101位に」。妻のため息がもれる。責められているようで、首をすくめる。世界経済フォーラム調査での日本の順位は相変わらずだった◆妊娠・出産を理由に職場で不当な扱いを受ける「マタニティー・ハラスメント(マタハラ)」について、公明党の提案によって、厚労省が初めて調査を行った。それによると、マタハラの被害を経験した女性は、派遣社員で48%、正社員で21%となっている◆情けない数字だ。だが、これは一部の企業や社員だけだろうか。そう思う理由は、妊娠・出産を機に退職する女性が4割以上いることだ。この結果、ずっと仕事を継続する女性は39%前後でこの30年以上推移している◆片や、「育児・介護等にかかわらず、職業を持ち続ける方がよい」と考える人は5割を超える(東京都の世論調査)。意識は変わりつつある◆マタハラに関して企業対象の調査も行った。防止に取り組んでいる企業では、5割以上の女性が出産後も働き続けている企業が3分の2に迫る。取り組んでいない企業より10ポイント以上高い。企業の姿勢によるということだ。誰もが生き生きと働き、子どもを産み育てられる仕組みをつくる。その社会的な合意が今こそ求められている。(繁)