e子育てがん患者支援急務

  • 2015.11.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年11月21日(土)付



国立がんセンター推計5.6万人、子は8.7万人
公明 心のケアなど具体策検討へ



子どもを持つがん患者に対して、いかに支援の手を差し伸べるかが大きな課題となっている。国立がん研究センターのチームが4日に発表した推計では、18歳未満の子どもがいるがん患者数は、全国で年間5万6000人を超え【グラフ参照】、患者の子どもの数は8万7000人に上った。


18歳未満の子を持つがん患者と、その子どもに関する推定値を算出したのは初めて。同センターがん政策科学研究部の東尚弘部長は、「患者に対する支援は進んでいるが、子どもにまで意識が向いていない。子どもに対する支援の普及・啓発を進める必要がある」と訴えている。


今回の調査は、同センター中央病院に過去5年間(2009年1月~13年12月)で入院した患者のデータから、18歳未満の子どもがいる患者の割合などを調べ、地域がん登録などのデータも利用して、全国の状況を分析した。患者の平均年齢は男性が46.6歳、女性が43.7歳。子どもは平均11.2歳だった。


調査の背景についてセンターは、近年の結婚・出産年齢の高齢化を挙げ、「子育て中のがん患者自身にとっては、がんの診断や経過について、どのように子どもに伝えるか悩むことも多く、治療選択の方法にも影響を及ぼす」と指摘。一方で、子どもへの心理的な影響なども懸念されることから、「支援体制づくりに向けての第一歩としたい」としている。


調査結果を受けて、公明党がん対策推進本部長の古屋範子副代表は、「大変重要なテーマだと受け止めている。子どもの心のケアはもちろん、家事支援も含めた経済的支援などを、今後、具体的に検討しなければならない」と話している。

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