eコラム「北斗七星」
- 2015.11.24
- 情勢/社会
公明新聞:2015年11月23日(月)付
吉田松陰の母・杉滝は、苦労なことがあっても嘆く声を発したことはなかったという。松陰の妹・文(後の楫取美和子)が回想録(一坂太郎著『楫取素彦と吉田松陰の妹・文』の付録=新人物文庫)に記している。大河ドラマ「花燃ゆ」でも、滝が笑みを絶やさず、文らに温かく寄り添う姿が印象的だ◆寄り添う行動は悲嘆に暮れる人の心強い支えになる。14年前、友人が大学1年の一人息子をスキューバダイビングの事故で亡くした。強いショックで打ちひしがれた友人に掛ける言葉が見つからなかった◆この時、友人に寄り添った一人が公明党の県議(当時)。すぐ駆け付け励まし続けた。息子のような事故をなくしたいとの思いも受け止め、議会でマリンスポーツの事故防止を訴え、安全教育の指導を前進させた◆公明党の参院議員も動いた。大学生の同好会から潜水の専門的な知識の普及が必要との声を受け、国会で安全対策の推進を求め、海上保安庁が対策の充実強化に努める方針を示した。同議員はその後も友人の相談に丁寧に対応◆友人は少しずつ活力を取り戻し、息子の同級生たちの応援やアフリカ・ガーナ共和国の教育支援に心を砕く一方、働きながら大学の通信教育を受講し、生き生きと学ぶ日々。長年、寄り添い続けた人たちに彼の活躍は輝いて見える。(典)