e国債整理基金のムダ削減
- 2015.11.24
- 情勢/経済
公明新聞:2015年11月24日(火)付
7兆円(借金による積立金)を取り崩し
払い費700億円超が不要に
非常時は 日銀借り入れで対応
問い 公明党の推進で「国債整理基金」の700億円を超えるムダが削減されたと聞きました。その内容や経緯を教えてください。
(東京 T・N)
党決算・行政監視部会長
竹谷 とし子 参院議員
政府は、災害などで国債が発行できなかった際に即座に対応するため、2012年度時点で約10兆円の積立金(国債整理基金)を保有していました。しかし、その資金は国の借金で賄われており、利子の支払いだけで年間約1000億円を超える税金が投入されていました。
国債整理基金は、いざという時への備えに必要な"貯金"と言われますが、そのために借金をして、毎年利子を払い続けるのは、税金のムダづかいと言わざるを得ません。
そこで、12年3月の参院予算委員会で公明党を代表して質問した際、国が国債を発行して1兆円の手元資金(すぐに使える資金)を持つための利払い費は100億円を超えるとの試算を示し、将来、金利が上昇した場合、その額はさらに膨らむ恐れがあることを指摘。約10兆円の国債整理基金について「リスクに備えるために、年間1000億円のコストを掛けることは妥当ではない」と訴え、基金の減額とそれによる利払い費削減を主張しました。
ただ、国債整理基金を取り崩すことで、非常時に対応不能になることは避けなければなりません。そこで、同じ参院予算委の質問で「日銀から天災の場合には(必要な資金を)借りられるようにすることで対応が可能ではないか」と提案しました。
これに対し、当時の民主党政権からは前向きな答弁が得られませんでしたが、自民、公明両党の連立政権発足で一変。政府は、日本銀行との間で非常時には資金を貸してもらう取り決めを交わし、基金を取り崩すことを決めました。
公明党の主張で、政権交代直後に編成された13年度予算から、国債整理基金のうち約7兆円分を取り崩すこととなったのです。それにより、金利などの状況によって変動しますが、毎年700億円を超える利払い費が不要になりました。
財政が厳しい中、ムダの削減は重要な課題です。今後も、国民生活に悪影響を及ぼさない形で、まずは行政が仕事の仕方を変えることによりムダ削減ができるよう全力で取り組んでいきます。