eテロ国内対策 入国審査など水際対策強化を
- 2015.12.01
- 情勢/解説
公明新聞:2015年12月1日(火)付
国際テロが頻発する中、国内対策の強化は不可欠だ。
フランス・パリでの同時多発テロを受け、世界的にテロへの警戒体制を強めている。日本では、安倍晋三首相が、テロリストなどに関する情報の収集や分析を省庁横断的に行う「国際テロ情報収集ユニット」を12月上旬に外務省に新設すると表明した。これと併せて、政府は、テロ対策費を盛り込む2015年度補正予算案の編成作業に入った。国民の安全を確保するため、強力な対策を講じてほしい。
テロ行為は、どのような理由があれ絶対に許されない。一連の国際会議などで、各国がテロを封じ込めるため協調したことは当然である。日本では、来年5月に伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)、20年には東京五輪・パラリンピックが開催される。それらに向けた国内対策も急がなければならない。
テロ対策として、政府が国際テロリストに関する情報を各国と共有していくことが重要だ。同時に、危険人物の情報だけでなく、各国のテロ対策の事例や取り組みも取り入れていくべきだ。
パリで発生したテロの手口は、劇場やレストランなど警備が緩やかな「ソフトターゲット」を襲撃するものだった。日本の大都市でも同様な事態が起きないとも限らない。
幸い、日本は海に囲まれた島国のため、テロリストを入国させないことでテロを未然に防げる可能性は高い。その利点を生かし、政府は総力を挙げて効果的な水際対策を講じていく必要がある。
日本への入国審査では現在、来日外国人の指紋採取と顔写真の撮影を義務化して、国際手配者などの情報と照合している。だが、これだけでは国際テロリストの情報を十分に反映できないのではないかという指摘もある。このため、政府は来年度から、テロリストの顔画像をデータベース化し、入国審査の際に照合できるシステムを国際空港に導入する方針を示している。
このほか、外国船舶への立ち入り検査も強化している。
政府は11月、東京五輪に向けた基本方