eTPP国内対策急げ
- 2015.12.04
- 情勢/社会
公明新聞:2015年12月4日(金)付
畜産、酪農の経営安定訴え
衆院連合審査で稲津氏
国会は3日、衆参両院で閉会中審査が行われ、このうち衆院内閣、農林水産両委員会は、大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)などに関する連合審査会を開いた。公明党から稲津久氏が質問に立ち、農家の実態調査の結果を踏まえ、「農林水産業の生産者から不安や疑問の声がある」と指摘し、払拭に向けた政府の国内対策の重要性を力説した。
稲津氏は、公明党の主張で政府の政策大綱に盛り込まれた農業者の経営安定対策に言及。牛や豚の生産農家の赤字を補てんする制度(牛・豚マルキン)の法制化や、生クリームなど液状乳製品を対象に追加する加工原料乳生産者補給金の拡充について、「TPPの発効に先立って早期に実施すべき」と訴えた。
これに対し、牛・豚マルキンの法制化について、森山裕農水相は「TPP協定の批准と関連法制定のスケジュールと歩調を合わせて行いたい」と表明。加工原料乳生産者補給金の拡充では、齋藤健農水副大臣が「準備が整い次第、協定発効に先立って実施したい。2017年度から実施したい」との方針を示した。
また、稲津氏は、地域ぐるみで高収益をめざす「畜産クラスター」事業について、「家族経営など小規模事業者も利用できるようにしてほしい」と主張した。