e日中関係改善を加速
- 2015.12.07
- 情勢/国際
公明新聞:2015年12月6日(日)付
与党交流協議会7年ぶり再開
経済、環境など協力強化
青少年、民間交流の拡大も提言
井上幹事長、王家瑞政協副主席ら基調講演
自民・谷垣禎一、公明・井上義久両幹事長ら与党訪中団は、北京で3日から4日にかけて行われた「日中与党交流協議会」に出席し、5日に帰国した。同協議会の開催は約7年ぶり。一連の日程を終えた井上幹事長は、「着実に日中間の関係改善が進む流れを後戻りさせず、強いものにすることで合意した成果は大きい」と語った。訪中団には、公明党から上田勇国際委員長、遠山清彦国際局長(ともに衆院議員)が参加した。
日中与党交流協議会は、経済や環境、外交など幅広い分野をめぐって意見を交わし、両国関係を深めていくことが目的。2006年から4回開かれたが、両国関係の悪化を背景に、09年2月を最後に中断していた。
今回の協議会には、中国側から王家瑞・全国政治協商会議副主席らが出席。3日の開幕式での基調講演で井上幹事長は、日中関係が着実に進む現状について、10月に山口那津男代表が訪中し、習近平国家主席に安倍晋三首相の親書を手渡すなど公明党が中国との交流を重ね、「日中関係改善の原動力の役割を果たすことができた」と力説した。
また、日中関係改善の流れが「後戻りしないようにすることが必要だ。個別の問題によって関係全体が冷え込まないよう手を打つことが日中双方の役目」と指摘。そのためにも、経済、環境など協力できる実務的な分野や、青少年などの国民交流を拡大していくと訴えた。
王副主席は、両国の交流拡大に向けた方策として、FTA(自由貿易協定)推進や教育、文化での交流拡大などが重要と指摘した。
続く分科会では、人的交流などをテーマに活発な議論が行われた。これらを踏まえ、閉幕式では、「日中関係の改善と発展に関する提言」が発表された。提言では、貿易投資や環境、社会保障などの分野で日中間の協力を拡大するとともに、青少年、民間交流を推進する必要性を強調。日中の与党間交流を絶えず深めていく方針も確認した。
兪正声政協主席、李源潮国家副主席と会談
与党訪中団は4日、中国共産党序列4位の兪正声・全国政治協商会議主席や、李源潮・国家副主席らとそれぞれ会談した。
席上、兪主席は、最近の日中関係について、「今年に入って大きく好転した。中国共産党と自民、公明両党の交流は、日中関係発展の原動力になると信じている」との考えを示した。
井上幹事長は、日中関係の深化に向け、若者などの人的交流を活発にする必要性を指摘。特に、観光で中国を訪れる日本人が伸び悩む現状に懸念を示し、「観光は両国民が触れ合う大事な機会。日本人が中国を訪れるよう努力したい」と力説した。
若者の交流拡大では、李国家副主席も賛意を示し、「若手の政治家が中国を訪問することを期待している」と語った。
また、兪主席との会談で井上幹事長は、日中与党交流協議会について、「日中が異なる見解を持っていても、過度に国民感情に影響を与えないことが協議会開催の使命だ」と述べた。