e堤防強化が前進へ

  • 2015.12.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年12月10日(木)付



鬼怒川決壊きょう3カ月
公明 生活再建、農業救済に全力



関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市などで深刻な浸水被害に見舞われてから、きょう10日で3カ月がたった。常総市では8日、最後の避難所となっていた石下総合体育館を閉鎖。24人の避難者が市内の旅館など2次避難所に移動した。また、市では11月30日までに、6099件の罹災証明書を交付。住宅の「全壊」や「大規模半壊」を対象に、再建や賃貸住宅への転居に最大300万円が支給される被災者生活再建支援金の申請数は945件(12月2日現在)に上っている。


鬼怒川の堤防決壊を受け、国では緊急的な治水対策に乗り出した。石井啓一国土交通相(公明党)が4日、「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を発表。今年度から2020年度の間に、鬼怒川下流域【図参照】などで高さが足りない堤防のかさ上げや河道の掘削に600億円を充てるとともに、住民の迅速な避難行動を促す「タイムライン」を早期に策定するなどのソフト対策を進める。石井国交相は、同プロジェクトを他の河川での取り組みのモデルケースとしていく考えだ。


また、国交省では鬼怒川で川の水が堤防を越えて住宅地側ののり面を削り、堤防の強度が失われて決壊に至ったことを踏まえ、全国の整備が遅れている堤防で、応急的な工事を進めることを検討。住民が避難する時間を確保するため、住宅地側ののり面にコンクリートブロックを埋め込むなどして補強し、決壊を遅らせる。


一方、農林水産省は甚大な農業被害の救済策を10月27日に打ち出した。浸水して出荷できなくなった飼料用米でも、条件を満たせば10アール当たり最大8万円を交付するほか、収穫後に自宅の軒先で保管していたコメが被害に遭った農家への助成も盛り込んだ。


公明党は、山口代表らが関東・東北豪雨で被災した住民の声を聞いた上で、住民の生活再建、農家への救済措置などをはじめ、全国の堤防強化を政府に強く訴えてきた。今後も大規模災害の被害を最小限に抑える防災・減災対策に全力を挙げる。

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