eコラム「北斗七星」
- 2015.12.14
- 情勢/社会
公明新聞:2015年12月12日(土)付
師走といえばベートーヴェンの第九。合唱祭や演奏会が各地で開かれる。来る16日は彼の245回目の誕生日。没して188年だが一流の作品は時代を超え人々に感動を与え続ける◆以前、読売新聞で、現在名指揮者として世界を舞台に活躍する小沢征爾さんの話を読んだ。そこに1959年、単身フランスに渡った時のことを書いた次のくだりがあった◆「学生の時、来日したアメリカの一流オーケストラの練習を見に行ったら、ブラームスの交響曲がものすごく分厚い音で鳴っていた。こんな音が世の中にあるなら、絶対に外国に行って勉強しなければいけない」◆一流が持つ力。他の世界でも同じだ。例えば、昭和の大女優原節子さんの魅力を最大限引き出したとされる小津安二郎監督の映像世界。112年前の今日生まれ、52年前の今日没した彼の映像は今、世界で高い評価を得ている◆撮影用の小道具でさえ本物、一流にこだわった彼は言った。「人間の眼はごまかせてもキャメラの眼はごまかせない、ホンものはやはりよく写る」(『老いの流儀 小津安二郎の言葉』)◆結党50年の昨年、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は、公明党は「『大衆とともに』歩む"本物の政党"」「一人の人を大事にし、寄り添い続けてきた」と。その歴史を刻む日々でありたい。(六)