e堤防3000キロ重点補強

  • 2015.12.14
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年12月12日(土)付



国交省 水害対策に新ビジョン



石井啓一国土交通相(公明党)は11日の閣議後記者会見で、国が管理する河川(109水系)と周辺の730市町村を対象とした大規模水害対策の新ビジョンを発表した。9月の関東・東北豪雨で甚大な被害が出た教訓を踏まえ、2020年度までの約5年間で約8000億円かけて堤防を補強したり、川の水が堤防を越えても決壊しにくくする。住民の円滑な避難に向け、スマートフォン(スマホ)を活用した情報発信も進める。


石井国交相は「早急に取り組みに着手するため、補正予算の活用についても検討していきたい」と表明。今後は国や都道府県、市町村で構成する協議会を各地に設置し、避難体制のつくり方などを議論してもらう。


ハード対策を講じる河川は計約3000キロ。堤防の高さが足りない箇所のかさ上げを行うほか、堤防整備が遅れている区間でも堤防上部をアスファルトで舗装し、市外地側ののり面にコンクリートブロックを埋め込むなどして補強する。


ソフト面では、16年夏から住民のスマホなどに洪水予報をリアルタイムで自動配信できるようにする。ハザードマップの改良や時系列の防災行動計画「タイムライン」の策定、発災時に迅速な避難が必要となる「家屋倒壊危険区域」の公表も進める。


新ビジョンは、社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)が10日にまとめた水害対策の答申を受けて決定した。


関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防整備が遅れていた箇所が決壊。茨城県常総市の約3分の1が浸水して多くの家屋が倒壊し、救助された住民は約4300人に上った。 


公明党は発災後、直ちに災害対策本部を設置して山口那津男代表らが被災地を調査。国会質問で全国の堤防強化を訴えていたほか、最大級の豪雨を想定したハザードマップの見直しなどソフト対策の充実を一貫して主張してきた。

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