eコラム「北斗七星」

  • 2015.12.17
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年12月17日(木)付



かつて「就職協定」というものがあった。ご記憶の方も多いことだろう。大学生が就職活動を始める時期を大学側と企業側が話し合い、協定を結んだのである。筆者の若い頃は大学4年生の10月1日が会社訪問の解禁日、11月1日が採用試験の解禁日だった。しかし、協定をすり抜け優秀な学生を採用する「青田買い」を行う企業が横行、社会問題にもなった◆大学は果たして学舎なのか、社会人になるための前線基地か。解禁日の変化を見ると、決定者はあくまでも企業で大学側は脇に置かれているということがよく分かる◆2015年4月入社組まで「面接選考」解禁日は4年生の4月だった。これに対し、政府と大学側は就職活動が長期化することで学業に影響することを懸念し、経団連、日本商工会議所、経済同友会へ、安倍首相が13年4月に対応を要請した。その結果、16年4月入社組の解禁日は、従来より4カ月繰り下げ4年生の8月となったばかり◆ところが今月7日には、経団連は17年4月入社組の解禁日を「4年生の6月」とすることを公表した。解禁日を16年入社組より2カ月早めたのだ。これでは大学生の「面接選考」解禁日は、この3年間で4年生の4月→8月→6月へと3回も変わってしまう◆"就活リズム"の変化の激しさに驚くばかりだ。(流)

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