e与党税制改正大綱のポイント

  • 2015.12.17
  • 情勢/経済

公明新聞:2015年12月17日(木)付



公明党の主張が反映



車体課税


自動車取得税が2017年4月から廃止するのに伴い、新税(環境性能割)が導入される。消費税率10%への引き上げと同時に新税が導入されることを踏まえ、公明党は販売の落ち込みなどを最小限に抑えるよう主張。その結果、新税の税収規模は、廃止される自動車取得税の税収規模(約1100億円)よりも少ない890億円程度で200億円規模の減税となった。

新税の税率は、燃費に応じて普通車が購入価格の0~3%の4段階。軽自動車は0~2%の3段階にとどめた。また、自動車の取得価格が50万円以下を免税点とすることを維持し、中古車などの購入に対する消費者の負担に配慮した。


法人税改革

企業活動を活性化させ、経済成長を後押しする観点から、国・地方合わせた法人実効税率(15年度32.11%)を16年度に29.97%、18年度に29.74%へと引き下げることとした。同時に、設備投資拡大や賃上げなど減税に見合う行動が必要だとして、経済界に対し「経済の『好循環』の定着に向けて一層貢献するよう、強く求める」との文言を盛り込んだ。

財源については、資本金1億円を超える法人を対象に赤字企業にも課税する「外形標準課税」の拡大などで確保するが、公明党の主張により、事業規模が一定以下の中堅企業で負担増となる場合の負担軽減措置を拡充。外形標準課税の対象のあり方について「地域経済・企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行う」と明記した。


中小支援など

公明党は、法人税が非課税のため、法人実効税率引き下げの恩恵が及ばない赤字の中小企業支援の拡充を訴えてきた。その結果、中小企業が生産性向上のために取得した機械や装置に係る固定資産税を、取得から最初の3年間軽減する特例措置を新設した。

このほか、担い手への農地集約を促す課税の強化・軽減措置が創設され、固定資産税と都市計画税について、耕作する予定のない遊休農地で課税を強化する一方、農地中間管理機構(農地集積バンク)に所有農地の全てを貸し出す場合は軽減することとした。また、空き家を譲渡した際や、3世帯同居に対応した住宅改修を行った場合に所得税を軽減する特例を新設。地方を訪れる外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充なども盛り込んだ。

検討事項には、都市農業に関して、今後策定される「都市農業振興基本計画」に基づき、相続税の納税猶予制度を生産緑地が貸借された場合も適用することなど、必要な税制上の措置を検討することとした。

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