eコラム「北斗七星」

  • 2015.12.21
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年12月21日(月)付



きょうは、アポロ8号が打ち上げられた記念すべき日である。1968年12月21日、地球を飛び立った宇宙船は3人の飛行士を乗せて月を10周し同月27日に無事地球に帰還。有人宇宙船の月周回飛行は人類史上初の快挙だった◆アポロ8号は、月周回飛行に加え、着陸候補地5カ所を決定し数百枚に及ぶ月面写真を撮影。これが翌69年7月のアポロ11号アームストロング船長による月面遊歩につながったのである◆撮影された、月の出ならぬ「地球の出」の写真は、「一つの地球」を強烈に意識させた。海の青さと雲の白さで彩られた丸い地球が、暗黒の宇宙を背景に浮かぶ。その尊厳さは、まさに奇跡というほかない◆先日、地域の会合で、危機に瀕した地球が話題になった。「温暖化もテロも核の問題も国同士の利益にこだわっていては地球の尊厳は守れない。各国首脳が宇宙船から地球を見ながら相談すれば一挙に解決できるかも」◆声の主は、来年夏に新有権者になる女子高生。突飛だが、率直な意見だと思った。宇宙船から地球を見るとは、国家の枠を超え、人類益、地球益の視点に立つということだ。頼もしい女子高生に触発され、ケニアのことわざが脳裏に蘇った。「地球を大切にしなさい。それは、親からもらったものではなく、子どもたちから借りているものだから」(鈴)

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