eコラム「北斗七星」
- 2016.01.06
- 情勢/社会
公明新聞:2016年1月6日(水)付
正月休み、日本ウオーキング協会主催の初歩きに挑戦した。上野公園がスタート・ゴール会場。距離は10キロ。正月の雰囲気漂う街は普段と異なり静かで街路樹のイチョウの寒々とした姿が目についた◆季節外れの暖かい日が続く首都圏も日中と朝晩の気温差は激しい。今日は小寒。暦の上ではこれから冬の寒さが一番厳しい時期を迎える。健康管理には十分注意したい◆この時分、思い出す論語がある。<歳寒くして松柏の凋むに後るるを知る>。意味は「(寒い冬に他の植物がしおれても松柏の葉は緑の色を保っているという意から)困難苦労に出合って初めて人の真価がわかる」(大辞林)◆そして「困難苦労」の言葉で思い出すのが『生きていくための短歌』(岩波ジュニア新書)という本。短歌を通し「生き難い環境の中で生き続けようとする」定時制高校生たちが描かれている◆<夜間生陽の目も見ずに働くが近い先には太陽となる>などの作品に交り阪神大震災被災者の歌もある。<駆けつける友の住まいは崩れ落ち生き埋めの友に我は無力>。真っ直ぐな若者の気持ちが伝わってくる◆こうした若者がより多く投票できるようになる今夏の参院選。自公政権にとっては基盤を一層強固にする戦いだ。大勝利をめざし、あらゆる困難苦労を乗り越えてゆきたい。(六)