eひとり親支援充実を
- 2016.01.08
- 政治/国会
公明新聞:2016年1月8日(金)付
負担軽減し就労促進
認知症への対応きめ細かく
参院本会議で長沢氏
首相ら表明 災害時多目的船の実証、水害対策強化を進める
参院は7日の本会議で、安倍晋三首相の外交報告と麻生太郎財務相の2015年度補正予算案についての財政演説に対する各党代表質問を行い、公明党の長沢広明参院副幹事長が質問した。
=質問、答弁要旨
長沢氏は、現場主義に徹し、国民一人一人の暮らしを支える政治の重要性を強調。昨年9月、鬼怒川が決壊した茨城県常総市に急行したことに言及し、堤防のかさ上げなど水害対策強化を求めた。石井啓一国土交通相(公明党)は「同様の災害は他の大河川でも起こり得る。スピード感をもって対策を進める」と応じた。
大規模災害対策では、陸路での医療活動が困難な緊急時に備えた「災害時多目的船」の早期運用へ実証訓練などを着実に進めるよう要請。安倍首相は「実証訓練に来年度以降も取り組む」との方針を示した。
また、中小企業支援について長沢氏は、昨年の政労使合意を踏まえ、大企業が下請け企業の価格転嫁を含めた取引価格の適正化などに取り組むべきだと強調した。安倍首相は「今年度末までに産業界への大規模調査を実施する。取引条件改善の状況を把握し、必要な対策を講じる」と応じた。
一方、政府が「新3本の矢」で掲げる「夢をつむぐ子育て支援」に関して、長沢氏は「生まれ育った環境によって、子どもの将来の可能性が狭められてしまうことのない社会を実現しなければならない」と力説。その上で、特に、ひとり親家庭や経済的負担が大きい多子世帯への支援、子どもの貧困対策に「どのように取り組むのか」とただした。
安倍首相は「ひとり親世帯などを支援する児童扶養手当で、第2子以降の加算分を倍額にする」と答弁。幼児教育無償化に向けた取り組みの段階的推進、奨学金の充実など教育費負担の軽減、ひとり親が就職に有利な資格を取得するための貸し付け事業の創設にも取り組むとして「補正予算案、来年度予算案に必要な措置を盛り込んだ」と述べた。
「新3本の矢」の「安心につながる社会保障」については、長沢氏が認知症の人やその家族へのきめ細かい支援を訴えたのに対し、安倍首相は認知症初期集中支援チームの設置拡大などを進めると答えた。
環太平洋連携協定(TPP)の国内対策に関しては、中山間地域では営農規模の拡大による生産性向上が困難で厳しい状況に置かれると指摘。同地域での直接支払いの着実な実施と所得向上策の充実を主張した。