eNPOに信用保証 全国で利用広がる
- 2016.01.13
- 情勢/社会
公明新聞:2016年1月13日(水)付
「高額の融資も可能に」
現場から喜びの声
公明党が推進した中小企業信用保険法の改正により、昨年10月からNPO法人(特定非営利活動法人)も中小企業の資金繰りを支える信用保証制度(※脚注)の対象になった。社会貢献活動に取り組むNPO法人数が全国で5万を超える中、各地で利用が広がっている。
公明の推進で"長年の念願"かなう
「信用保証制度で高額融資も受けられるようになった。事業発展のために役立てたい」。こう語るのは、首都圏を中心に若者の就労支援事業などを展開するNPO法人「育て上げネット」(工藤啓理事長)の石山義典事務局長だ。同法人は昨年、信用保証制度を活用し、多摩信用金庫から融資を受けた。同ネットは融資を人材確保のための資金などに充てている。NPOが信用保証制度の対象になったことで、数千万円の融資も受けられる環境が整備された。
また、徳島市では昨年、障がい者の就労を支援するNPO法人「クレエール」が、徳島銀行から融資を受けて障がい者らが弁当を販売したり、食事を提供する店舗をオープンさせている。こうした信用保証制度を活用した事例は各地で相次いでおり、NPOの新規事業や新分野への進出を後押ししている。
NPOの活動は、子育て支援や福祉・介護、観光振興、被災地復興など多岐にわたる。行政や民間企業と協働する法人もあり、社会的使命や役割は増す一方だ。最近では、現役を引退した高齢者や、障がい者、子育てしながら働く女性などの活躍の場としても注目されている。
こうしたNPOの活動を支えているのは、寄付や行政からの補助金だ。しかし、寄付が思うように集まらなかったりするため、NPOの資金調達は常に不安定な状況にある。また、NPOに対する理解が進んでおらず民間金融機関からの融資を受けづらいのが実情だ。
それだけに、NPOの活動をサポートするNPO法人「シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」の関口宏聡代表理事は、「信用保証制度の適用は多くのNPOの長年にわたる念願だった。NPOの活躍の場は広がっており、必要となる資金も増えている。法改正でNPOの活動を政治が後押ししてくれたことに感謝している」と語る。
なお、信用保証制度を利用するに当たって、NPOには、適切な会計処理や十分な事業計画の策定などが求められる。
NPOの社会的な役割を重視する公明党は、党NPO局(局長=谷合正明参院議員)を中心に、信用保証制度をNPOにも活用できるよう訴えてきた。山本香苗参院議員が2014年に国会で提案したほか、同年5月に政府へ提出した「女性の元気応援プラン」や成長戦略の提言にも明記していた。