eコラム「北斗七星」

  • 2016.01.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年1月16日(土)付



かつてスリランカでは、口腔がんの死亡率が全がんの4割近くを占めていた。その背景には、ビンロウを使った噛みたばこをたしなむ習慣との因果関係があった◆政府は生活習慣の改善を重ねて訴え続ける。しかし、一向に効果は上がらず。万策尽きたかと思いきや、意外なところから光明を見いだすことになる。「大人がダメなら子どもに話してみよう」◆試験的に小中学校で、がんの予防を含め、健康に配慮した日常生活の大切さを学ぶ機会を繰り返し設けてみた。すると子どもたちは、親などの大人へ、喫煙による健康への影響をストレートに語るようになった。同国では数年掛けて、喫煙率が半減したという◆国内でも「がん教育」の大切さが認識され、輪が広がりつつある。東京・豊島区では全国に先駆けて、2012年度から「がんに関する教育」を始めた。小6と中3が対象で、学んだことは、家族で話題にするようにしている◆2人に1人は、がんにかかる国内の現状を転換させるため、政府は昨年末、「がん対策加速化プラン」を公表した。公明党は予防、治療、緩和ケアなど、全方位からがん対策の拡充に総力を挙げている。がん教育も有力な対策の一つである。「分かっているけどやめられない」喫煙も孫子からの一言が結構効く。これは間違いないだろう。(広)

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