eコラム「北斗七星」

  • 2016.01.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年1月19日(火)付



祖父の京助氏(言語学者)、父の春彦氏(国語学者)に続き、自身も日本語の研究を専門とする金田一秀穂氏が面白い発見を紹介している◆学生たちと合宿に行った際のことだ。宿泊する貸別荘を見て、参加者の一人が「普通にかわいい」と感想を述べた。「まあまあ普通」の建物という評価を下したと受け止めた金田一氏は、別荘を手配してくれた幹事に失礼ではないかと思うが、発言者の真意は違っていた。話を聞くと、彼らの間では「とてもかわいい」という意味で使われるらしい。つまり、「普通に」の言い回しには、「とても」というニュアンスがこめられている。「オツな日本語」(日本文芸社)から引いた◆若者は、言葉をはじめファッションや文化、生活習慣など多分野で、常に新しいライフスタイルや発想を発信している。なかには大人世代に版図を拡大しているものも珍しくない◆時代を切り開いていくには若い力が欠かせない。初の女性総統が誕生することになった台湾総統選でも、ヤングパワーが政治に地殻変動を起こしたといわれている◆公明党は、ここ数回の国政選挙で若い人材を多く国会に送り込んできた。今夏の参院選にも即戦力の新人を擁立する。若い世代と国の未来づくりを進めれば、政治は「普通に信頼できる」と思う若者が増えるに違いない。(明)

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