e養護施設退所者支えよ
- 2016.01.20
- 情勢/社会
公明新聞:2016年1月20日(水)付
就労など自立後押し
参院予算委で山本(香)さん
資金貸付で厚労相明言 返還免除 柔軟に運用
参院予算委員会は19日、安倍晋三首相らが出席して「内政・外交の諸問題」に関する集中審議を行い、公明党から山本香苗参院政策審議会長が質問に立った。
山本さんは、ひとり親家庭支援について、公明党が昨年11月に行った政府への提言が補正予算案や2016年度予算案に反映されたことを評価。その上で、多くの困難を抱えるひとり親家庭支援は「就労・生活・子育て支援を一体的に行う事業が必要だ」と訴えた。安倍首相は「自立を全力で支援していく」と述べた。
次に山本さんは、さまざまな事情で親元で暮らせない子どもへの社会的養護について聞いた。この中で、児童養護施設などの退所者の自立支援策として補正予算案に、退所後の就職者に2年間分の家賃、進学者には生活費(月額5万円)や家賃をそれぞれ貸し付け、5年間就業すれば返還を免除する資金の貸付制度の創設が盛り込まれたことを評価しつつ、退所者の離職率が平均より高いことから「退所後のアフターケアとセットでの支援が重要だ」と訴えた。
さらに、貸し付け後の返還免除について「退所者が離職した途端に返還を迫るのではなく、求職活動をしている場合も就業継続とみなすべきだ」と主張した。
安倍首相は児童虐待の増加などで社会的養護の必要性が増しているとの認識を示し、子育て世代包括支援センターの全国展開など「しっかり対応したい」と答えた。塩崎恭久厚生労働相は、退所者のアフターケアとセットの支援が重要だと述べ、支援資金の返還免除は「離職しても、すぐに再就職するなど就業継続と同等と考えられる場合は柔軟に運用する」と答えた。
このほか山本さんは、退所者の進学率が2割程度にとどまり、進学しても中退者が多いことから、支援の必要性を訴えた。
馳浩文部科学相は「福祉と教育で連携し、しっかり取り組む」と述べた。