e重症化予防を充実せよ
- 2016.01.21
- 政治/国会
公明新聞:2016年1月21日(木)付
医療費や住宅提供 低所得者へ配慮が必要
参院本会議で秋野氏
参院は20日午後の本会議で2014年度決算の概要報告と質疑を行い、公明党から秋野公造氏が質問に立ち、がんなどの疾病重症化予防などで質問した。
秋野氏は、胃がんの主な原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の除菌が公明党の主導で保険適用となったことを紹介。その上で、大分県豊後高田市などの自治体が胃がん検診にピロリ菌検査を導入した結果、高い確率で胃がんを発見していることなどに触れ、「胃がんの早期発見・治療にもつながっている。検診に導入すべきだ」と訴えた。さらに、肝がんの原因として増加傾向にある脂肪肝炎への対策を進め、糖尿病予防では、これまでの対策が透析に至る腎症予防に偏っていると指摘し、目や足の合併症を含めた重症化予防の必要性などを訴えた。
塩崎恭久厚生労働相は、胃がんの「ピロリ菌検診」は、研究などで死亡減少効果が明らかになれば「(がん検診の)指針に盛り込みたい」と答えた。脂肪肝炎対策は生活習慣改善の必要性を周知し、糖尿病は目や足の合併症対策も重要との認識を示した。
一方で秋野氏は、生活困窮者支援も主張。国民年金のみで暮らす低所得者などが必要な医療を受けるための医療費負担減免の必要性を力説。さらに、低所得の子育て世帯など向けの住宅を安定供給するための法制度化などを訴えた。
医療費負担減免について塩崎厚労相は、高額療養費制度や社会福祉法人などが行える無料定額診療事業の周知を進める考えを示した。石井啓一国土交通相(公明党)は、3月末改定予定の「住生活基本計画」に、低所得の子育て世帯などの安定的居住確保を目標として打ち出すと述べた。
このほか秋野氏は、高速道路のうち長崎自動車道(一部区間)などの暫定2車線の4車線化を進めることを求めた。また、道路橋などのインフラ点検・診断に非破壊検査など民間の技術者を活用する仕組みをつくるべきだと訴えた。石井国交相は、長崎自動車道の4車線化へ付加車線の設置などを進めると答え、インフラ点検・診断は国交省の資格登録制度を活用した対策を進める考えを示した。