eコラム「北斗七星」

  • 2016.02.03
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月3日(水)付



誰しも出費のかさみは避けたいもの。だが現実は、個人が負担する税金などの公的な支出は増える傾向にある。来年4月からの消費税率10%引き上げ時には、こうした庶民の痛税感を和らげるために、公明党が「軽減税率」を訴え、実現した◆消費税率引き上げには反対と、叫ぶ人たちがいる。本当にそれでいいのか。この内容は民主、自民、公明3党で合意した「社会保障と税の一体改革」にある。ポイントとなる社会保障を手厚くする=給付額を引き上げるには、裏付けが欠かせない◆実感は薄いが従来、日本の社会保障給付の規模は、世界でも最も低い部類にあった。なぜ、目立たなかったのか。「家族が福祉の担い手」(橘木俊詔京都女子大客員教授)となり、「『見えない社会保障』として機能していた」(広井良典千葉大教授)からである◆少子高齢社会で単身世帯が最も多いなど高度成長期と比べ、家族のカタチが明らかに変わった今、見えない担い手に代わるものは、幅広く負担を分かち合うことに行き着く◆利益が出なくても必要欠くべからざるサービスを提供する。万が一の時、誰もが安心して暮らしていける、そのために税などの公的なセーフティーネット(安全網)がある。今日は節分。何でも反対、無責任な政党には「鬼は外」で退場してもらおう。(広)

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