e軽減税率、「給付」に勝る

  • 2016.02.03
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年2月3日(水)付



BS番組から



低所得者への恩恵は明確     斉藤税調会長

「金持ち有利」批判は誤解  青木神奈川大教授


公明党の斉藤鉄夫税制調査会長は、1日夜放映のBS11の番組に、青木宗明神奈川大学教授らと出演し、来年4月から導入する消費税の軽減税率について見解を述べた。斉藤、青木両氏の発言(要旨)を紹介する。

青木 (消費税=付加価値税が導入されている)どの国でも軽減税率がある。なぜかというと、消費税はお金持ちと比べて、お金を持っていない人の方が(所得に占める)税負担の割合が高くなってしまう(からだ)。そうした逆進性対策をやらない国はほぼない。

斉藤 収入に対して食費が占める割合は、低所得者ほど高い。食料品を軽減税率にすることは、明らかに低所得者に恩恵が行く。

青木 「(軽減税率は)お金持ちの方が有利」というのは誤解だ。金持ちの方が軽減になる金額は多いが、所得に占める割合でいったら圧倒的に低所得者の方が軽減税率で楽になることを理解してほしい。

斉藤 (民主党などが主張する)給付つき税額控除(脚注)は、所得や資産を正確に把握する必要がある。そのための社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度だが、定着にはまだまだ時間がかかる。しかも一人一人が申請して還付を受けなければならない。

青木 軽減税率と対比される形で給付つき税額控除の話があるが、誰を対象にやるかが問題になる。国民の約半数は所得税を払っていない。この人々を給付の対象にするとなると、国民の約半数が政府からお金をもらう。それがいいことなのか。(対象は)低所得者だけで中間層は放置されるのか。中間層も含めて逆進性対策をしたいのであれば、消去法でいくと最終的に軽減税率しか残らない。
給付つき税額控除
所得税の納税者には減税(税額控除)を行い、減税しきれない納税者や課税最低限以下の所得の人には現金給付を行う仕組み。米国などで導入されているが、所得や資産の正確な把握、不正受給の防止などが課題として指摘されている。

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