e農水産業の競争力強化へ

  • 2016.02.04
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月4日(木)付



TPP発効に備え課題探る
党市議団
熊本市



日米など12カ国が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)の発効に備えて、公明党熊本市議団(鈴木弘会長)は1月18日、市内の農水産業の競争力強化に向けた基盤整備における課題を探ろうと、JA熊本市野菜選果施設や、なすハウス、梅洞排水機場などを視察した。これには、鈴木会長、藤岡照代、藤永弘、園川良二、井本正広、浜田大介、三森至加の各市議が参加した。


農業施設や排水機場など視察


初めに一行が訪れたJA熊本市野菜選果施設は、なすの形状選別装置をはじめ、メロンやトマトのフリートレー手詰装置、内部・外部品質センサーなどを備えた総合選果処理施設の一つ。安全・安心の品質管理とともに、選果作業の省力化および労力の軽減化に取り組んでいる。

西村幸喜センター長の案内で、高効率の選果作業を見て回った一行は、その後、隣接するなすハウスを訪問。全国一のなすの生産量を誇る熊本市で、風速50メートルにも耐える耐候性ハウスを用いて熊本ブランド「肥後のでこなす」の栽培に取り組む生産者の一人、西村和洋さんと意見を交わした。

でこなすはボリューム感があり、あくや種も少なく、甘みがあるのが特長。西村さんによると、品質向上の観点から殺虫剤を使わず、害虫の天敵の一種を放って駆除しているという。その一方で「今年は暖冬の影響で害虫が越冬してしまう」と危惧。

さらに「周囲が水田のため、地下水の水位が上がるとハウスの土が湿ってしまう」と、安定生産に向けた改善策を求めていた。

続いて一行は、老朽化が進む市内の排水機場の実態を調査するため、昨年度に改修を行った梅洞地区の排水機場へ。干拓地で標高が低く、排水不良地帯でもある熊本市は、施設園芸の生産性向上だけでなく、水害から住民を守るためにも排水機場が欠かせない。

ところが、市内にある40カ所の排水機場のうち、半数以上が耐用年数20年を超えており、早急な改修が求められている。

一行は、現存する旧式の排水機場や、毎秒1.9トンの雨水を有明海に排水できる新設ポンプを視察。市農水商工局の坂本耕弘・技術主幹兼主査によると、旧式に比べ新設ポンプは約4倍の排水が可能になったという。

視察を終えた鈴木会長は、「TPPが新展開を迎える中、基盤整備を後押しし、熊本の農水産業の競争力を高めていきたい」と語っていた。

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