e中小企業に"心強い味方"
- 2016.02.09
- 情勢/社会
公明新聞:2016年2月9日(火)付
好評の「ビジネス支援ネットワーク」
東京・台東区
東京都台東区で昨年4月にスタートした中小企業、小規模事業者の各種相談にワンストップ(1カ所)で対応する「ビジネス支援ネットワーク」が注目を集めている。金融機関にとどまらず、弁護士、大学、中小企業診断士など、幅広い関係団体や専門家の協力を得ながら中小企業を支援する仕組みは「全国的にも珍しい」(担当者)という。中小企業の支援に尽力してきた区議会公明党(小菅千保子幹事長)は1月21日、同ネットワークの窓口がある区中小企業振興センターを視察した。
幅広い関係団体の協力で実現
経営、融資、技術、法律など各種相談を一つの窓口で
区は中小企業向けにこれまで、専門家による無料相談や、各種サポート制度を実施してきたが、販路開拓や資金繰りなど企業の相談内容が複雑化していることから、きめ細かな対応が求められていた。そこで区は、公益財団法人・台東区産業振興事業団に中小企業の支援事業を移管。支援事業の一環として、経営の悩みにワンストップで応える「ビジネス支援ネットワーク」が始動した。
同ネットワークには、地元の信用金庫や日本政策金融公庫などの金融機関、東京都中小企業診断士協会、東京商工会議所のほか、弁護士や日本弁理士会、都立産業技術研究センターなどが加盟しており、経営だけでなく、技術や法律、特許関連の相談などにも対応している【図参照】。
相談窓口は、旧小島小学校の校舎を改修して開設された区中小企業振興センターに設置。中小企業診断士や経営コンサルタントが相談者から課題や問題点などを詳しく聞き取り、事態の打開や改善に向け、より専門的な支援が受けられる関係団体へとつなげていく。
同ネットワークの立ち上げに深く関わってきた同事業団の生島健太郎商工相談担当係長は、「当初は、(ネットワークへの)参加に難色を示す団体も少なくなかった」と振り返る。「それでも、ネットワーク構築の意義を訴え、粘り強く交渉し、少しずつネットワークへの協力団体が増えていった」と話していた。
一方、昨年12月末時点での利用件数は203件。同ネットワークを通じて日本政策金融公庫、商工会議所などに相談することができたという化学製品卸売会社の社長は「たくさんの人たちの知恵をお借りして助けてもらい、感謝している」と喜びの声を寄せていた。
区議会公明党はこれまで、予算要望を通して就労支援や相談を含め、創業支援を手厚くするよう求めるなど、区内の中小企業の支援に取り組んできた。
視察後、小菅幹事長は「中小企業が抱える悩みに対し、解決に向けての光明が見いだせる"心強い味方"として、相談体制のさらなる拡充に力を尽くしていきたい」と語っていた。