eコラム「北斗七星」

  • 2016.02.15
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月13日(土)付



2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場は、「木と緑のスタジアム」を主なコンセプトに建設される。デザインを手掛ける隈研吾氏が設計した本格的な木造建築の第1号は、1994年に完成した高知県梼原町の「雲の上のホテル・レストラン」だ◆隈氏設計の建物は同町内に4施設あり、地元の杉やヒノキをふんだんに使用。現代的なデザインで木の魅力を前面に打ち出し、町の観光スポットにもなっている◆木造芝居小屋「ゆすはら座」の保存運動を契機に同町との交流を深め、地域資源を生かした建築を志向するようになったという隈氏。「20年間くらい『木をもう一回建築に取り戻す』ということをやって、最終的に新国立で提案できた」と、木を大事にする建築哲学を語っている◆東京五輪・パラリンピックでは、耐震性や断熱性に優れた国産CLT(直交集成板)などの活用も注目される。一昨年10月の衆院代表質問では、公明党の井上義久幹事長が関連施設への国産材の積極的な活用を訴え、今月11日には佐藤英道農林水産大臣政務官(公明党)が高知県の関係者と意見交換した◆自然の温かみや安らぎを感じる木の建物は、伝統的な日本の文化でもある。地方への経済波及効果をもたらす林業振興の起爆剤となる取り組みを期待したい。(祐)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ